ノイド村に着いた。
次の日。ちゃんと早起きしたけど、アルディクはもう起きていた。
スーシェさんも起きていたので、二人で朝食の支度を始めた。すぐに、父も起きて加わった。
アルディクが所在なさげにしていたので、手伝ってもらいながら少し話した。
年は11だという。もっと下だと思っていた。
夢中で食べる様子から、普段はあまり食べられなかったのではないかと思った。
簡単な食事が終わると出発した。今日は村に着く日だ。
アルディクはまた、スーシェさんの馬に乗せた。
昼頃、ノイド村に着いた。
昼食は途中の休憩で済ませていたので、すぐに店開きをすることになった。
ここでも、父は色々話しかけられながら、ほとんど物々交換で商品を売っていく。
その間、私はアルディクと一緒にいた。
…また視線を感じる。子供たちが見ている。
今度は、アルディクが珍しがられているのかもしれない。
視線を向けると、子供たちがおずおずと近付いてきた。
「ねえ、獣人でしょ?」
「お兄さんはエルフ?」
キラキラした目で、私たちに話しかけてくる。『お兄さん』と間違われたことは訂正しなかった。
子供たちに囲まれて、アルディクはうろたえたように私を見た。その様子が子犬のようで可愛かった。




