ずっと寝ていた。
日が暮れる前に、野営の場所を決めて、馬車を止めた。
アルディクは、ずっと眠っていた。よほど疲れていたのか、馬から降ろしても起きなかった。
クーちゃんを放して、狩りをさせた。
しばらくすると、ホロ鳥を捕ってきた。
褒めて、というように目を輝かせて、クルルと鳴く。
「クーちゃん、よくやったね〜」
クーちゃんの頭を撫でてあげると、嬉しそうにクルルと鳴く。
「また捕ってきてね〜」
「クルル」
再び、空へと飛び上がって行った。
クーちゃんは、合計三羽のホロ鳥と、ウサギを一羽捕ってきてくれた。
それをスーシェさんが捌いてくれて、私は焼くのを手伝った。
父はスープを作ってくれた。
良い匂いがし始めると、やっとアルディクが起きた。またお腹が鳴っている。昼も食べてないから、だいぶお腹が空いているようだ。
改めて自己紹介してから、食事をした。
アルディクは夢中で肉を食べていた。
落ち着いたら話をしようと思っていたのに、食べ終わるとすぐにウトウトし始めた。なので、話は明日にして、先に寝かせた。
アルディクの髪の間から見える耳が、ピクピク動いていた。触ってみたかったけど、我慢した。
片付けが終わると、いつものように先に寝た。
アルディクから少し離れた所で、子犬のような耳を見ながら、ゆっくりと眠りについた。




