表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/67

子供に出会った。

 翌朝、父に起こされて目を覚ますと、すでに朝食の用意ができていた。

 慌てて起きると、慌てなくていいと言われた。明日は、ちゃんと早起きしようと決意した。


 クーちゃんも起きていたので、餌を自分で捕るように放すと、川のほうに飛んで行った。魚を捕って食べるようだ。



朝食の後、すぐに出発した。今日も野宿をするから、ちょうどいい所まで行かなくてはいけないそうだ。



 街道に出て、しばらく道なりに進んでいると、前方に小さな人影が見えた。

 子供のようだった。フラフラと歩いている。


「なんでこんな所に子供が…」

 父が呟いた。まだ村までは遠いのに、子供が一人で歩いているなんておかしいと言う。


「おい、こんな所でどうしたんだ」

 スーシェさんが馬で近付いて話しかけると、その子供は、ビクリとして立ち止まった。そして、勢いよく振り返る。


「人だ…」

 子供が、かすれた声で言った。少年のようだった。


 子供はその場にへたりこんでしまった。慌てて馬を降りて、スーシェさんが話しかける。

「おい、大丈夫か」

「大丈夫…」

 そう言いながら、ぐるるる〜と、お腹の鳴る音がした。


「…腹減ってんのか」

 父が、荷物の中から食べ物を取り出した。それをスーシェさんが受け取って、子供に渡すと目を輝かせた。

「いいの!?」

 スーシェさんがうなずくと、物凄い勢いで食べ始めた。よほどお腹が空いているらしい。


 夢中で食べている少年を眺めていると、あることに気がついた。


(あの子…獣人?)

 ボサボサの髪の間から、わずかに獣の耳が飛び出ているのが見えた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ