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飛べるようになった。
半月がたった。
クーちゃんは、少しの距離なら飛べるようになった。
「クーちゃん、おいで〜」
「クルル」
呼ぶと、パタパタと飛んでくる。今は、もっと長い距離を飛べるように練習中だ。
魔法が使えるかどうかは分からない。
母に聞いたら、使えるかもね、と言っていた。でも、無理して使わせようとしては駄目よ、と言われた。だから、飛ぶ練習しかしていない。
クーちゃんが肩にとまって、クルルと鳴く。褒めてほしそうだ。
「クーちゃん、いい子だね〜」
「クルル」
ご褒美に、クーちゃんの好きなチェリエの実を上げると嬉しそうに食べた。
「もう一度、練習しようね」
「クルル」
素直に飛び立つクーちゃんを見ながら、通信鳥(手紙を付けて飛ばす鳥)の代わりができそうだなぁと思った。




