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おとなしかった。
薬草の生えている場所に着くと、鞄を開けてクーちゃんの様子をみる。 眠っている。なるべく揺らさないようにして採り始めた。
薬草と木の実を採りながら、別の場所に移動していく。
ある程度の量が採れると、またクーちゃんの様子を確認した。
今度は起きていた。羽をパタパタさせて見上げている。
「クーちゃん、木の実食べる?」
「クルル」
拾ったばかりのリコの実を与えると、嬉しそうに囓りついた。
お腹いっぱいになるまで食べさせてから、外に出して排泄させる。そしてまた鞄に入れて、次の場所へと移動した。
背負った籠がいっぱいになってから帰路についた。
クーちゃんは始終大人しくしていた。
(躾は案外簡単かもしれないな)
クーちゃんは言葉が分かるみたいだ。この分だと、言い聞かせるだけで済むかもしれない。
(トカゲって頭いいんだなー)
旅に連れて行くのが楽しみだと、上機嫌で家へと帰った。