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第一話(豚王)・6

第一話(豚王)・6

「それは忠誠心の現れです」と烏族の大臣は言った。しかしこの充電器は我々豚族ではなく食肉加工に用いられる豚をかたどったものではないのか。


 我々豚族は加工された豚肉を口にしない。種族としての亜目は離れているとはいえ、自分に似偏った動物の肉を食べることには抵抗がある。実際、私が魔王に就任してから食事の席に豚肉が出たことは一度もない。おそらく炊飯部も魔王が豚族であることを気遣った献立を立てているのだろう。その代わり、市場にはこれまでより多くの豚肉が出回っている、との報告を鳩族の大臣から耳にしたことはある。その鳩族の大臣は頑として鶏肉と食べることを拒み続けている。


 さて、私の手元にあるのは豚をかたどった充電器である。この充電器は携帯電話の大きさに即した穴に携帯電話を差込、玉座に取り付けられているコンセントとつなげば充電ができるらしい。私は烏族の大臣に豚をやんわり小馬鹿にした戒めとして一割の減給を命じ、充電器をコンセントにつないでみた。さて、しばらく放置である。

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