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第二話(母親)・6

第二話(母親)・6

 目覚めた。こうして目覚めたことが全世界に公開されるのが恥ずかしくて仕方がない。朝起きて朝食を作り始めるまでのあいだに顔を洗うが、水しか使っていないことが恥ずかしくて仕方がない。年なんだから、それに大きな子供だっているんだから肌艶にこだわってもしょうがない。という私の主張も全世界にもれなく公開されてしまうのか。恥ずかしい。


 一人分の朝食を作ってしっかり食べる。息子はパン派だが、私はご飯を食べないとものを食べた気がしないので朝からご飯・味噌汁・魚料理・卵という朝食フルコースをいただくことにしている。しいて言えばあと海苔とほうれん草のおひたしあたりが欲しいところだが、まあそこまで行くと旅館の朝食みたいになってしまうし、海苔なんかはっきり言ってあってもなくてもいいものなので自重しておく。昼は職場から近いコンビニで不健康な食物であるコンビニのおにぎりを食べなきゃならないのだ、朝食くらいはちゃんと余裕を持ってよく噛んで食べておきたい。


 そんなわけで私の朝食は朝六時に始まる。食事を終え、食器を洗い終える頃には六時四十分になっている。私はテレビも水に食事に集中するタイプだ。それから余裕を持って化粧を施し、職場へと出かける。トロフィーを作っている小さな会社で、私はそのトロフィーの台座の文字盤に文字を打ち込む作業をやっている。世の中には一日に何人何かに優勝する人がいるのだろう、と不思議になってくるくらいのペースでトロフィーは生産されていく。数が多いのでいちいちどこの何の大会での優勝者をたたえるものなのか、は覚えていない。


 昼休みは十二時頃、上司であり社長であるおじいちゃんが「そろそろ昼休みにしようかねえ」と言ったら昼休みになる。さて、コンビニへ行くか、と思った途端に携帯が鳴り始めた。

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