第30話 俺の意思は確認されなかった
その通達は、
あまりにも事務的だった。
◆ いつもの呼び出し
「……リオ」
まただ。
(最近、
こればっかりだな)
呼ばれた先には、
見慣れた顔と、
見慣れない書類があった。
◆ 通達内容
役人が、淡々と読み上げる。
「実地研修の結果を踏まえ――」
もう、
この時点で嫌な予感しかしない。
「君は、
次の配置へ移動となる」
(はい)
「目的は――」
一拍。
「安定化支援」
(何の)
◆ 主人公の質問(無意味)
「……俺、
何かやったんですか?」
役人は、
首を横に振った。
「いいえ」
よかった。
だが、
続けて言う。
「やっていないからです」
(は?)
◆ 世界の理屈
上層部の男が、
静かに補足する。
「君は、
“場を壊さない”」
「それは、
非常に貴重だ」
(それ、
才能なのか?)
「だから――」
一拍。
「壊れやすい場所に
配置する」
(やめろ)
◆ 決定事項は既に終わっている
書類に、
判が押される音。
それだけで、
話は終わった。
「詳細は、
追って伝える」
(追って、
聞きたくない)
◆ 現場の反応
部屋を出ると、
フィンが待っていた。
「……決まりましたか」
「……うん」
「移動、ですよね」
なぜ分かる。
「顔に出てます」
(出てるか)
◆ 主人公の実感
その夜。
焚き火の前で、
俺はぼんやり考えていた。
(俺、
もう“選ぶ側”じゃないな)
最初から、
そうだった気もする。
だが、
今回は違う。
世界が、
俺を動かし始めた。
◆ エンディング(章締め)
翌朝。
野営地は、
いつも通りだった。
だが、
俺の立ち位置だけが、
少し違う。
後ろではない。
移動予定者だ。
荷物を背負いながら、
俺は思った。
「……俺、
何もしない方が
良かったはずなんだけどな」
だが、
何もしなかった結果が、
これだ。
こうして。
何もしていない俺は、
次の“厄介な場所”へ
送られることになった。
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