第23話 結果だけ見れば十分らしい
その日の夕方。
俺は、また呼ばれた。
(最近、多くないか)
◆ 呼び出しメンバーが重い
部屋に入った瞬間、分かった。
(あ、これ
俺の話、もう決まってる)
教官。
役人。
そして、
見慣れない外部の大人たち。
全員、
結論を持った顔をしている。
◆ 本人の発言権
「リオ」
教官が言う。
「今日の訓練について、
何かあるか?」
俺は、正直に答えた。
「……後ろに、
いただけです」
沈黙。
誰も、
それを否定しない。
だが――
誰も、それを重要視しない。
◆ 評価は、もう終わっている
外部の男が、書類を閉じる。
「確認は取れた」
「何の?」
思わず、聞いてしまった。
男は、穏やかに答える。
「再現性だ」
(何の)
「君が、
特別な行動をしなくても」
「場が、安定する」
(してない)
「それが、
常に起きている」
(知らん)
◆ 教官のまとめ
「つまりだ」
教官が言う。
「君が何を考えているかは、
正直どうでもいい」
(ひどくない?)
「結果だけ見れば、
十分だ」
全員が、頷いた。
(頷くな)
◆ 決定事項、読み上げ
役人が、淡々と告げる。
「決定事項を伝える」
嫌な言葉だ。
「リオは――」
一拍。
「次の実地研修に参加する」
(嫌だ)
「なお」
さらに続く。
「外部混成部隊への同行とする」
(もっと嫌だ)
◆ 主人公の抵抗(弱)
「……あの」
俺は、恐る恐る言った。
「俺、
行く必要あります?」
役人は、即答した。
「ある」
「……理由は?」
「最も安全だから」
(意味が分からない)
◆ 世界の論理
外部の男が、静かに言う。
「君がいると、
事故が起きにくい」
「起きても、
被害が小さい」
「これは、
現場にとって――」
一拍。
「非常にありがたい」
(現場、俺じゃなくて
他の人だろ)
◆ 主人公の理解
この瞬間。
俺は、悟った。
(ああ、これ)
(もう、
断れる段階じゃない)
何を言っても、
理由にされる。
黙っても、
肯定と取られる。
詰みだ。
◆ エンディング
「詳細は、
明日伝える」
会議は、終わった。
部屋を出ると、
フィンが待っていた。
「……決まりましたか」
俺は、うなずく。
「うん」
「行くんですね」
「……らしい」
空を見上げる。
夕焼けが、やけに眩しい。
「……俺、
本当に後ろにいただけなんだけどな」
フィンは、静かに答えた。
「それが、一番怖いんです」
(だからやめろ)
こうして。
学園時代の結末は、
静かに確定した。
次は――
逃げ場のない、
実地の世界だ。
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