第20話 一人にしてくれない
結論から言うと。
俺は、一人で行動できなくなった。
理由?
知らない。
◆ いつの間にか決まっていた
朝、訓練場に行くと、
教官が何気なく言った。
「リオは、今日は単独行動な」
(お、自由?)
一瞬、期待しかけた。
だが、続きがあった。
「ただし」
はい。
「必ず同行を付ける」
(単独とは)
◆ 同行者フルセット
俺の後ろに立ったのは、
記録係のサム
フィン
見知らぬ補助員一名
(多い)
「……これ、
単独って言うのか?」
教官は、真顔で答えた。
「行動判断が単独だ」
(行動してない)
◆ 行き先すら自由じゃない
「今日は、
この範囲で行動してもらう」
地図を見せられる。
……狭い。
「ここから、
ここまで」
俺の生活圏より狭い。
「外には?」
「出る必要はない」
(したい)
◆ 本人の感想
正直に言うと。
「……楽だな」
サムが、すぐに記録する。
「本人、
制限を肯定的に受け止める」
(やめろ)
◆ 周囲の評価(悪化)
フィンが、小声で言う。
「これで、
不用意な接触は避けられますね」
(俺、感染源か?)
補助員も、真剣だ。
「……異変があれば、
すぐ報告します」
(異変起きない)
◆ 小さな異変(起きない)
俺は、指定された範囲で、
ただ立っていた。
風が吹く。
葉が揺れる。
……以上。
何も起きない。
だが。
「……やはり」
誰かが言った。
「安定している」
(そりゃな)
◆ 主人公の抵抗(弱)
「……あの」
俺は、聞いてみた。
「俺、
一人で行動しちゃダメですか?」
全員が、一瞬黙る。
教官が、慎重に言った。
「……ダメ、ではない」
期待する。
「ただ」
はい。
「一人にする理由がない」
(理由くれ)
◆ エンディング
その日の終わり。
俺は、指定された範囲で、
空を見上げていた。
「……俺、
守られてるのか?」
フィンが答える。
「はい」
「……閉じ込められてる?」
少し間があってから、
「それも、
否定できません」
俺は、ため息をついた。
楽だ。
安全だ。
だが。
自由ではない。
そして、
自由でない場所は、
いずれ――
外へ押し出される。
その兆しは、
もう、近くまで来ていた。
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