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AIスマホは禁忌でした ~なのにチート扱いで受付嬢がやたら優しい~  作者: 本郷カケル
2章

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【断章:カイラム】いらだち。

 夜の酒場は、いつもより静かに感じた。

 いや、俺の頭の中がうるさすぎるだけかもしれない。


 ノアスのやつ。今日だけで三羽もウサギ魔獣を狩っただと。

 ありえん。

 あんなの、普通は一日に一羽出ればいいほうだ。まったく現れない日だって珍しくない。


 なのに奴は……運がいいのか、何か持ってるのか……。

 渡り人ってのは、やっぱりどこかおかしい。


この酒は苦い。だが、ちびちびなんて飲んでられるか。

この胸のざわつきは、どんなに苦い酒でも薄まらない。


 フィオも、フィオだ。あいつと一緒に森へ行きやがって。なんであんな無邪気に笑っていられる。

 渡り人は危険だ。教団はそう言っているし、俺もそう思ってきた。


 うすうす感づいてるようにも見えるが・・・フィオは教団がひそかに監視対象なほどの逸材だ。

 魔石の区分けや分析に関しては他のやつとは違う。彼女は専門家になれる。魔法が使えようと、使えまいと。あの素質は、すごい。いい女とか、そんな次元とは別に、すごい。

 ……なのに。

 ノアスは、妙に自然にフィオの隣に立つ。フィオも嫌がりやしない。にこにこ笑いやがって。

 くそ、あのガキ。どこにそんな資格がある。時折見せる、あの落ち着いた眼が気に食わん。


 もう、俺が教団の信者だとばれてるのかもしれない。

 俺だって、できれば……いや、やめろ。そういうことを考えるな。


 だが、どうしても頭に浮かぶ。

 フィオはいい女だ。優しくて、真面目で、笑うと可愛い。

 あいつが誰かに取られるなんて、考えたくもない。


 ……なのに、俺は何もできない。


 教団への忠誠心が、いつも俺の心を引っかけ続ける。

 離れたいと思ったことは何度もある。自由になりたい。

 だが、踏み出す勇気が出ない。


 ノアスは、こんな俺の迷いなんて知らんだろう。フィオと楽しげに笑いやがって。

 あいつの無邪気さが、腹立たしい。


 なんだか今夜は、ジョッキが重い。この手の震えは何だ。まだそんなに酔っちゃいない。


 教団と自由……俺が本当に欲しいのは、どっちだ。

 どっちを選んでも、後悔しそうだ。


 がぶ飲みで酔えば少しは楽になるかと思ったが、逆に胸がざわつくだけだ。

 くそ……ノアスめ。気に入らん。


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