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四

「いいかい、えみ。お前は将来私と同じ経営者になるんだよ」

「え？　お父さんどうして？」

「女の子は出世できないんだよ、この国は。だから、経営者になりなさい。お前の進学先には社長の子供が多いところを選んでおいた」

「えー、制服が可愛いところがよかったんだけどなあ」

「服装は自由だから問題ない。そこで人脈を作っておくんだよ。強いもの同士手を組んで、勝ち続けられるようにするんだ」

「でも経営者って難しいんでしょ？」

「名前と顔を出すだけでいいんだよ。あとは社員か、下請けにやらせればいいから」

「んー、それって裏切られない？」

「大丈夫さ。寝返ってもいいように、お金を蓄えればいいんだ。株とかで配当を受け取れるようにしておきなさい」

「そっか、やっぱりお父さんって頭いいね」

「あと、社員に情が移ってはいけないよ。何か問題が発生したら、まとめてすぐに切り落とす。経営者の重要な役目だ」

「なんだか可哀想」

「他の社員を不幸にする方が可哀想だろ？」

「それもそっか。そうするね」

「本当にえみは愛らしくて素直な子だ」

「えへへ」