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教育  作者: 茜翠蘭
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第二話 乗っ取り

東大卒のA田は的確にアドバイスをしどんどん経営を回復させていきました。それにより父はギャンブルにお金をつぎ込めると大喜びし、カジノに出掛けるようになるくらいギャンブルを楽しんでいました。母は経営が立ち直った事は喜びましたが、父がギャンブルにお金を使っていることに気付き良くは思っていませんでした。だって自分が男につぎ込めるお金が減ってします。彼女は毎晩ホストと不倫遊びをするために財力を保てる父と結婚したようなものなのです。母の中で父はもう男ではありませんでした。年も二十も上で六十になっていましたから、若い男のようなきらきらした魅力には欠けていたのだと思います。

 そこにつけこんだ男がいました。A田です。彼は母を誘惑しました。お花畑の男好きな母ですからすぐに落ちてしまいました。高学歴であのルックスではどこのホストよりも魅力的だったようです。経営アドバイザーだけあって話術もありましたからそういった意味でも魅力的にうつったのかもしれませんね。

 おまわりさん、これはただの不倫話じゃありません。問題はここからなのです。A田が何故母に不倫を持ちかけたか、それには大きな目的がありました。

 A田は母に、お前と結婚したいんだ。あんなギャンブル狂いの旦那と若く頭も良く顔も綺麗な俺、俺の方がずっと良くないか? とでも言ったのでしょう。母は離婚し学校を辞めて結婚すると言ったようなのですが、それではA田は不満のようでした。じゃあ殺してしまおう、そう決まりました。

 母から聞いた話では就寝中に練炭を焚き遺書を置いたそうです。学長が自殺したなんて聞いても、生徒や保護者は学長の顔や名前なんてまともに覚えていません。教師だって挨拶する程度で深入りなんてしませんから大きな影響は無いのでした。他校の学長とも父は疎遠にしていましたし、突然役職に就いた責任感から気を病んだのだろうといった程度にしか関心が無かったのかもしれません。

 もうお墓に入ったんじゃあ逮捕は難しい? 証拠だって無いだろうって? 私がお願いしたいのはそういうことじゃありません。まあ、聞いていてください。

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