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面接1

人混みの多い電車の中で隼人は面接で話すことを脳内の中でイメージトレーニングをした。

早朝なので出勤や部活に行く中高生が多く、隼人は人混みの中呑み込まれていく。

ぎゅうぎゅうに詰まっている状態だから体同士が触れ合っていても仕方がない。だけどそれでも気をつけないといけない。


そして、俺の後ろには小柄の中学生くらいの女の子がいた。

ボブの幼い顔をしていて妙に大人びた雰囲気で長いまつ毛に艶のある茶髪の美少女である。

俺はできるだけ彼女にはぶつからないようにした。痴漢扱いは本当に困るため、俺は両手を挙げ、手すりに掴まる。

人混みに揉まれたせいか美少女は前後左右に流される。大丈夫かなと心の中で思いつつ原稿の振り返りをする。

終着駅に着くと、俺は駅を降りる。背後に気配を感じて振り返ると美少女も同じ駅だったらしく、後ろについて来ている。少し驚いた。

何故なら

ここは無人駅で降りる人はいないと思ったため少女が降りてきたかからだ。

そんなことより

俺は姉貴に教えて貰った場所をググール先生頼りに歩き出すと、後ろから叫び声が聞こえる。


えっどういう状況だ?と思い俺は振り返る。

チェック柄のシャツの少し肥満体型の男が少女の手を引張いている。

ザ・オタクみたいなカッコだな。


「お前がすみれちゃんだよね!俺ずっと探してたんだ!お、俺は事務所の前で張り込んだからわかるんだよ!君がいつもすみれちゃんが3D配信していた時と同時に出勤していた事を!」


「ち、違います…」


風の音にでもかき消されそうな声で震えながら美少女は言う。

オタク君は顔を顰めて唾を飛ばしながら言う


「はぁっ?何言ってんだ!お、お前はすみれちゃん!俺と一緒にネットカフェに行って話をしよう!」


そう言って美少女の手を力強く引っ張ると美少女は少し転けそうになる。


「い、いや。離してっ」


「な、なんだよ!俺はお前に50万も貢いでんだぞ!少しぐらい会話し、したっていいじゃないか!」


いよいよやべぇなあれ。止めるべきなのか。周りに人はいないのか?

辺りを見回すと誰一人もいない。まじかよ。強制イベントじゃん。俺は脳内でどうやって止めるかを考え込む。

激昂したオタクは何するか分からないからな〜

そういえば学校のオタクくんはいじめっ子にスリッパ無くされて仕返しに椅子に画鋲ばらまいたな。正直あそこまでやるとは思わなかった。

なので

俺これ下手したらボコボコにされるかもしれない。ボコボコにされたままの面で面接受けたくないな。ここは穏便に警察を呼ぶことにする。


そうな事を思っていると目の前のオタクは美少女の態度を気に召さなかったらしく彼女を突き倒した。


シリアス状態になるオタクは叫ぶ。


「お、お前に50万も貢いたからって親に家から追い出されたんだぞ!お、お前は俺をか、可哀想だとは思わないのか!」


オタクは手を振り挙げる、


まじで殴る気じゃん!

残念ながら少女にはすまないけど俺にできる事は警察を呼ぶしかないんだ。


俺は小さい頃から面倒事を嫌っていた。

必要以上に誰かと関わることは自分も他人も傷つくことになる。そう思って俺は生きてきた。

今回もあの美少女に関わり過ぎると面倒事になるのは間違いないと思ったのだ。

だけど

せめての良心で警察を呼んであげようと思った。


今までもずっとこうして来たのにーーー


何故か降ろした拳の下に俺は居た。


「な、なんだよ。どっから出てきたんだよ!お前は!」


動揺を隠せないオタクと同じく動揺を隠せない俺、結構なカオスであった。


「俺もわかんねぇよ!だがひとつ分かることは俺はお前みたいな厄介オタクが嫌いだ!」


「何も俺の事もわかりもしないのにぃ、偉そうに言うんじゃなひ!」


俺とオタクは両腕を組突っかかる。

俺は昔学校の保体でやった柔道技の背負い投げを思い出す。

一か八かやるしかない!

オタクの腕を自分の肩に乗せ、そして、腰でオタクの体を弾きあげると思っいきり地面のコンクリートにぶつけた。


「グエッ」


潰されたカエルのような情けない声を出し、オタクは気絶した。


「はぁはぁ、やったか…」


フラグみたいなセリフを吐き捨てると俺は立ち上がる。

涙目になる美少女に向かって荒らげた呼吸を落ち着かせながら言う


「大丈夫ですか?すぐに警察呼んだ方がいいですよ。」


「はい!あと、助けてくれてありがとうございます!本当に怖かったんです。実は彼にはずっとストーカーされていて困っていたんです。」


「そうですか…それは良かったです。ですので俺はこれで…」

話しているおれを遮り、美少女は言う。


「あの!LINEを交換しましょう!次に何かお礼をさせて欲しいです!」


「わかりました。交換ましょう。俺は鈴木隼人です。」


美少女はそれを聞くと嬉しいそうに言う。


「私は木下穂乃果です。よろしくお願いします!恩人隼人さん!」

彼女とLINEを交換すると俺は時計を見る…そして現在の時間に目を丸くする。残り10分しかない…


「すみません、すぐに俺は〇〇事務所に行かないと行けないんでここで失礼します。」


「待っ」


俺は美少女が何かを言う前に走り出す。


穂乃果は隼人の後ろ姿を見つめながら


「彼も私と同じVTuberなのかな。本当だったら嬉しすぎる。」

顔を赤らめモジモジし出した彼女は現在VTuberとして活躍する猫又すみれである。

YouTubeでは80万人もいる人気YouTuberである。

切り抜きも多く存在し知名度は現在一二位を争う大人気VTuberである。

そんな彼女は隼人に興味を持ち始めた。



一方、

隼人の目の前には4人のいかつめのおっさんが居る。


「では、初めまして。私は今回の面接官を務める〇〇株式会社の業務執行の最高責任者の山下悟です。では面接を始めましょう」


「はい…お願いします。」

隼人はあまりの緊張で頭が真っ白になる。


「ではまず自己PRをお願いします。」


地獄の面接が始まる。


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