ショッピングモールにてデート?(7)
893はスマホをチラチラと見る。少し気になるが自分が怪我するかもしれない恐怖であまり気にはしてなかった。
「えーなんだ?世の中は強ぇ男が正義って言うのもある。ケンカが強え、勉強ができる、スポーツができる。とかな、えーまぁ様々だ。その中で今お前にとって1番必要なのはなんだ?」
俺は深く考える。できるだけ気の触りのない回答を俺は答える。
「コミュニケーション能力ですかね?」
「違え!今お前に必要なのは腕力だ、誰に文句つけられても多くの女を守ることができる能力だ!なぁ!そうだろう?!」
「は!はい!」
俺は893の声で身を強ばらせる。無理やりその理屈を通そうとしてきてるな!と心の中で893を非難するが、さすがに口に出すと、どうなるのかはわかっている。
すると、893はまたスマホでなにかを確認し、続けている。
「だから、俺がお前にテストしてやる。俺と腕相撲をしろ!」
「はぁ?」
やッべぇ、思わず口に出してしまった。ボコボコにされるかも。
だけど――――
893は俺の疑問に納得したようで、
「お前今疑問に思っただろう。なんで腕相撲なのか。えーそれはだな」
と893はまたスマホを見る。
頼むから話す途中でスマホを見ないで欲しい。お前たちの小さな動きでも俺の心臓を縮めているんだ。なんで声に出さないが。
「あーお前には今ここで俺たちを倒す力がない、だから、女を守れねぇ、こういう場面に遭遇するとお前はどうなる?ただただ逃げ惑うのか?それとも、助けを求めるのか?それではお前は一生の恥になるぞ!お前はそれでいいのか?!だから、俺はお前に教訓として腕相撲で勝負してやる。そこで、お前に本気になってもらうために罰としてそこらの女は俺たちと今晩暮らすという罰を受けもらおう。」
「いや、それは…」
「おめぇに断る義務はない!」
893の人に怒鳴る。逆らうどうなるのかわかっているだろうなという目つきで俺を見る。
俺は木下さんたちを見る。木下さんは涙を浮かべて俺に小声だ頑張れと行ってくる。
天野は全然平気そうに、
「ふーん?まぁ、うちの彼氏はつええーから」
いや!お前に何処にそんな自信があるんだよ?!と突っ込みたくなるが我慢。
渚は俺の手を掴み、
「私は隼人くんのこと信じてるから頑張って!」
893は既に勝ち誇ったような顔色をみせ、任王たちしながらこちらを見てくる。
「よ、よしやってやろうじゃないか。」
虚勢の喝で自分の心を燃やし、前に出る。それから、俺は893との負けられない戦いが始まった。
腕を組むとわかる。ゴツゴツとした二の腕が一切運動していない細々とした腕でその間の力量の差がわかる。
あ、これは勝てないかも。
だけど―――――――――――
罰の重さと木下さんの涙を含んだ顔を浮かべると俺は自分を叱責する。
負けを考えちゃいけない!俺はこの893たちが木下さんたちにどんな酷いことをするのか予想もつかない。
こいつらが罰をくらわれないようにここで893を止める。
だから、ここて男の意地を見せなくてどうする。
腕相撲は筋力じゃない、圧倒的な頭脳であることを俺は証明してやる。確度、バランス、チカラのいる具合で全てが決まる。
よーい、初めっ!
という声でスタートの音は鳴らされる。
くぉぉおおお!俺は全力で自分のほっそい右腕をできる限り自分の方に持っていこうとする。
「頑張ってはやとくん!私のために!」
木下さんが俺を励ます。
「何よ!あんた隼人くんは私のよ!」
「なにいってん?はやとは私のだからね!あんたは隼人くんのこと全然知らないのに!」
「はぁ?じゃああんたがはやとの何を知ってんのよ!
」
俺は顔を力いっぱい赤らめ人生の大勝負をかけてんのにお前ら傍らで喧嘩なんかすんなよ!と心中でツッコミを入れる。
ダメだ、変なことを考えていたら、段々と向こうの方に腕がの寄っていく。
もう無理だ、すまねぇ、俺のせいで、
本当に俺は弱いやつだ、こいつらのこと何一つも守れねぇ、この世の中は理不尽すぎる。と嘆き、彼女たちに謝ろってから、893の人たちに何とか見逃してもらおうと思うと、
パンっ手が地面にぶつかる音がする。
勝負が着いた。
俺は自分の手を見て瞠目する。何故か俺の手の下に893の手が重ねられていた。
嘘だろ!
てっきり負けだと思っていたが、何故か、奇跡的に勝った。
まさか、
本当に神って本当にいたのか。帰ったら仏教でともキリスト教でもビンドゥー教でもいいから感謝しよう。と俺が自分の幸運に対して興奮していると、
893は俺の肩を叩き、俺の奮戦を褒め称える。
「あんた、つえーな、まぁ、これからも彼女のこと守ってやれよ。」
なんか棒読みだったけど気にしない。
そして、俺たちはそのまま帰路につき、家に帰る。俺は今日一日の出来事を振り返りながら、明日の学校に準備にあたった。
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