いざ!尋常に!
はぁ〜と俺は哀愁を漂わせた大きなため息をついた。
それを姉貴が見ると安心させるように言う。
「にゃに〜大丈夫だよ〜心配することは無いよ!なぜならベテランであるこの敬愛なる姉がついているんだからね!」
ドンっと胸を叩く自信満々の姉貴に対して
俺は胡散臭さを感じてきたため試すために聞いた。
「俺はアルバイトの面接すら経験したことない高校生だぞ。それがいきなりVTuberの面接なんて、無理がすぎる!」
「そんな人見知りで常に下を向いているネガティブの隼人くんでも私のアドバイスを聞いたら100パー受かります!」
酷いこと言うな!間違ってないけど!
とにかく胡散臭広告のキャッチフレーズみたいなことを言うと姉貴は可愛い人差し指を立ててフリフリされながら言う。
「まずはハキハキ喋るんだよ。これが最大難関ね〜」
確かにVTuberにはあまり詳しくないけど確かに滑舌の悪いやつは見たことがない。
「まぁ隼人はここが1番危ういね〜」
「失礼な!おれは本番に強いタイプだから大丈夫だ。」
姉貴は猫みたいに目を細めて俺に顔を数センチしかないところに近づき吐息混じりに言う
「冗談たよ。私は隼人を信じてるから大丈夫。」
「お、おう任せろ」
「そっからはぁ〜志望動機だよーまぁ適当でいいよ。」
姉貴は顔を戻すと跳ね上がるような猫撫で声で言うと俺は思わずツッコんだ。
「適当でいいのかよ!」
姉貴は少し怠そうに答える。
「まぁぶっ飛んだ理由しゃなければなんでもいいのよ。」
「あと意気込みも言わなくちゃいけない。まぁそれも適当でいいよ。」
俺はだんだん姉貴が真剣なのかよくわからなくなった。
「おいおい、なんかいまいちアドバイスらしいものは聞いていないぞ。」
「今から言うのよ〜次に自分の特技かな。そこはよく考え言ってね〜」
特技かー俺は少し考える2個考えついた。こんな陰キャでも隠し芸は何個かはある。
俺はピアノとギターを弾くことができる。親に将来はなんかの役に立つだろうと言われてから高校になっても持ち腐れていた特技である。
文化祭の合唱で活躍するチャンスあるが、残念なことに同じクラスにもう1人ピアノを弾ける奴がいた。
当たり前のように人望のあるそいつの方がピアノ担当となった。つまり未だに俺はみんなピアノを弾けるキャラとして知られていないのだ。
「じゃあ今から1番大事な事を言うね〜」
姉貴は俺の目を見つめながら真剣な雰囲気で俺に話す
「VTuberでの生配信ではほとんどの初見の人達は声とトーク力を見るの。
だから面接官も声を1番注目していると思う。
だから隼人はできるだけ声を作って臨みなさい。」
急に真剣な眼差しになる姉貴を見て俺は少しど惑いついていけず曖昧な返事しか出来なかった。
「お、おう。」
それから、俺は姉貴の言ったことをベースにして面接用の原稿を徹夜で書いた。
朝になる1人の目にくまがてきている少年は立ち上がる。
「よし!完璧だ!」
全ての準備をおえ俺は玄関の前に立つ。
姉貴がくれたチャンスは逃がさない、絶対に掴み、俺は踏みとどまってしまった道を進み出すんだ!
隼人は決意を固くし、新しい世界に1歩踏み出した。
「行ってきます。」
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