彼女ができる日3
「あんたに私の彼氏になって欲しい理由はいっぱいあるの。だから公園で話を聞いて欲しい」
「お、おう……」
俺は戸惑いながらも彼女と一緒に公園に行った。
薄暗い公園で俺たちはブランコを揺らしながら、彼女は憂いの帯びた横顔を見せながらポツリとポツリと語った。
「まず、私から謝りたい事があるわよ、オタクってバカにしてたけど、私もオタクなのよ。」
「え?でもお前めちゃくちゃオタクをバカにしてたじゃないか。」
「それはあんたがあんまりにもオタクを隠す気がなかったから、その態度に私はムカついのよ。普通はオタクであることは隠すのよ」
「しゃあ、なんで俺に言ったんだよ。」
彼女は少し目を伏せながら言う
「あんただからこそ言えたのよ……あんたは今日VTuberに興味があるって話をしたんじゃない?私はVTuberオタクなのよ。それで私はVTuberの切り抜きチャンネルも持っているのよ。」
最後は少し自慢げに言う彼女だったが俺はそれでも彼女が付き合って欲しい意味がよくわからなかった。
「でも、それは俺と付き合うのはどんな関係があるんだ?」
「それはあんたと付き合えたら私の趣味について語れるじゃない。私は本当に趣味を語り合える人が欲しいのよ。」
恥ずかしそうに言う彼女は俺は聞き返す。
「なら、友達でいいんじゃないか。」
彼女はそれを聞き、真剣そうに言う。
「実はそれとは別に問題があるのよ。」
そして彼女はそれを重大そうに語る。
「最近、誰かが私の噂を流したのよ……私が彼氏を欲しがっているっていう噂をね。
最初に会った時にも言ったけど、私は大の男嫌いだから、言い寄ってくる男が苦手なのよ。
だから、あんたと付き合う事になるとほかの男は私と付き合うのを諦めるでしょ?」
そして、彼女は眉を顰めながら真剣に俺に頼む
「ねぇ、あんた、無茶な頼みだけど聞いてくれない?
私と付き合って欲しい。」
俺はそんな事を聞いて思った。初めて他人から頼み事を頼まれた。
今までされた事のない経験で俺は変な気持ちになる。
俺はずっと自分の利益だけを考えてきた。他人はどうでもいい、どうなろうとも自分とは関係の無いことだと思っている。
だから、俺は答えを決める。
「ごめんな、すまないが、他に当たってくれ。」
そう言うと彼女は残念そうに口を噛みながら下を向く。
「ま、まぁどうせあんたみたい自分しか顧慮できない人間の事は私が1番よくわかってるわ。わかったわ。他に当たってみるわよ……」
何かを切り捨てるように言い去る彼女は俺から振り向き、帰ろうとする。
「ふっ」
俺は笑う
彼女は驚いて振り向く
そして、俺は彼女に真摯に答える。
「さっきのはからかっただけだよ……なんせ、俺は困っている人をほうで置けないオタクだから。」
そして、俺は真剣な声で彼女に向かって言う。
「俺はお前と付き合うよ。」
彼女はそれを聞いて少し涙目になる。俺はそれを見てさすがにからかいすぎたかと思い、謝ろうとする。
彼女は下を向きながら近づいてくる。影で表情がよく見えない。
俺の胸元まで近づくと彼女は歯を食いしばり、足を振り上げる、
そして―――――――
俺のふくらはぎを思いっきり蹴りあげる。
鈍い痛みが俺のふくらはぎを襲い、俺はそのまま倒れ、コロコロする。
痛ってぇ!マジで腫れたんじゃね?
俺はそう思うと彼女は感情を昂らせて言う。
「あんたは本当に昔から変わらないんだから!これに懲りたら次はしない事ね。」
そして、彼女は歩き去っていく。
俺から少し離れたところで彼女はこっちに振り向き、微笑みながら言う。
「今日からよろしくね、彼氏くん。」
こうして俺に名ばかりの彼女ができた。
俺しか居なくなった公園で静かに揺れる2つのブランコ。
俺は立ち上がり、このおかしな1日を振り返って笑ってしまう。
俺は変わったのだろうか。今は分からないだけど、彼女と関わっていく内に分かるかもしれない。そう思いながら俺は家に帰る。
「おっかえりー」
「ただいま帰りやした〜」
いつもの挨拶を交し、俺はソファでぐったりとする。
姉貴はスキップしながら何らかの歌を口挟みながら歩き寄ってくる。
「ふ、ふん、ふーん」
「姉貴なんかいい事あったのかよ?」
「うーん、そうなの、あったのよ。これはまだ私にしか知らされてないことだけど先にあんたに言うね。」
「隼人は〜〇〇事務所の面接受けたじゃない?」
そして、姉貴はニヤニヤしながら俺を背後から抱き寄せて言う。
「そ、れ、が、合格なの。」
俺はそれを聞いて思わず大声を出してしまう。
「ぇぇえええええ!?」
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後、誤字報告ありがとうございます。
これからも報告してくれると助かります。




