彼女ができる日2
彼女の背後を歩きながら聞く
「どこ行くんだ?」
彼女は振り向きもせずに言う
「うーんまだ決めてないなー」
「いや、決めておけよ、計画性ゼロかよ。」
俺は思わずツッコミを入れる。
彼女は俺のツッコミがお気に召さないようで口を膨らませて言う。
「あんたオタク君でしょ!なんか面白いとこない?」
「いや、ないね、あいにく引きこもりオタクなんで、」
俺は肩を竦めて言う。
「ふーん役立たずね……」
そっちの方も何も考えてないくせに!とか思いながら俺は強く返事する。
「すまなかったな!引きこもりオタクで!」
俺の返事が面白かったのか彼女はくすっと笑いながら言う。
「じゃあーゲーセンでどう?」
「ああ、それでいいよ。」
俺たちはゲーセンに行く。
着くと夜中にもかかわらず賑わっていた。
子連れや高校生、外国客など……
俺は彼女に言う。
「はぐれんなよ……」
彼女は俺に言い返す。
「そっちこそ初めてのゲーセンにビビって漏らさないでよね」
「いや、初めてとかじゃないから。」
「ふーん……誰と来たの?」
「俺の小さい頃からの幼なじみだ」
俺は自慢げに言う。
そうーーー
俺には二人の幼なじみが居る。
渚四葉と宮野心音だ
二人は仲が悪く、よく喧嘩をしていた。だから、毎回のように俺が仲介に入って仲直りをするんだが、心音は中学に入る途中で転校をしてしまった。
俺は懐かしむように意識を遠くさせると、彼女はそれに反応するかのように、聞いてくる。
「ねぇあんたその幼なじみの事どう思ってるのよ?」
妙に気迫が篭ってんなーと思いつつ俺は少し顔を赤らめて言う。
「いや、まぁ俺の大切な人だなー小さい頃からずっと一緒にいて楽しかったし……まぁ、最後は喧嘩してそのまま別れちゃったけど……でも今彼女に会えるとしたら謝りたいって思う。だけど、彼女が今どこの高校なの、」
彼女の声が俺の言葉を遮る。
「もういいわよ!オタクみたいな長文で話さないで、気持ち悪いわよ!」
彼女は顔を真っ赤にして少し涙目になっていた。
え?そんなに怒らなくても……そんなに俺が気持ち悪かったのか、俺は少しだがショックになる。
しかし、女子を泣かせてしまった罪悪感がそれに勝った。
「あ〜ごめんな。なんかすまんかった。でもオタクが長文で語るのはステータスみたいなもんだから仕方ないと思うんだ……」
俺はどうするか考える。そして、隣を見るとクレーンゲームが置いてあり、中には少し趣向を凝らした癖の強い熊のぬいぐるみが置いてあった。
これだ!
これで賞品をゲットして彼女にプレゼントをすると機嫌を直してくれるかもしれない。
俺は彼女に気を遣いながら言う。
「なぁ、俺がお前にあの熊のぬいぐるみを渡すと泣くのやめてくれるか?」
「はっ泣いてないし!私はただの花粉症なのよ!」
いや、どう見ても泣いてんだろ……
「ま、まぁ、嫌な思いをさせたお詫びにその賞品をプレゼントするよ。」
「まぁ、別にに欲しくないけど、いいわよ。」
彼女は目を下に俯かせてモジモジと言う。
「よっし!この俺に任せろ!」
俺は手を擦り合わせながら堂々とクレーンゲームに向かう。
こんなの余裕だろ。俺のゲーム歴を何年だと思っている。ゲーム三昧の日々を思い出しながら俺はクレーンゲームというミッションに真剣に向き合う。
はぁー!俺は心の中で雄叫びを上げる。
コンソールを動かし、アームで熊のぬいぐるみを掴む。
よし!これは行った!
1回目で取れるなんてやはり俺は只人では無いな!
鼻の下を伸ばした俺は信じられないない瞬間を見る……まるでアームが自ら離したかのように熊のぬいぐるみはすり抜けて元の位置に落ちる。
アームの握力弱すぎだろ!くっだがまだまだだ!
俺は諦めの悪い漢である。
何回何回も挑戦する俺をじーと見て彼女は見つめる。
あんまりの集中力で俺は気づかないが……
20回目にしてようやく取れた。
彼女にぬいぐるみを渡すと、彼女はそれを大切そうに抱えて、ムスッとした顔で言う。
「あんた時間かけすぎよ!」
その後頭をぷいと振り向き、言う。
「まぁ、あんたにもいいとこがあるんじゃない?」
俺は褒められヘラヘラしてしまう。
「でも、そうやって褒められてすぐに鼻の下を伸ばすのがあんたの悪いところよね!」
「あはは」
俺は苦笑いをしてしまう。
何故か俺と彼女は自然と話してしまう。いわゆる馬が合うと言うやつだ。そこにはどこか懐かしさのようなものを感じる。
そんな具合で俺たちは様々なゲームを楽しんだ。
感覚的には一瞬だったものの俺たちは既に4時間も遊んでいた。
そしてーーー
俺は彼女に別れを告げて帰路に着こうとした時……
後ろから何かに引っ張られる感じがした。
振り返るとーーー
そこには綺麗な顔を真っ赤に染めた彼女が居た。その小さく真っ白な手で俺の服の裾を引っ張っている。
様子が変に見えた俺はどうしたものかと彼女に声をかけようとすると、
彼女は口をあわあわさせながら言う。
「ねぇ、あんた私の彼氏になってよ。」
俺はどうやらまだ家には帰れないらしい。
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