2話 出会って救われる
いよいよです。
この日も暑い夏だった。アスファルトに太陽の光が照りついていた。
私は学校で体育の授業を運動場でしていた。周りの人たちにとっては些細なことで、パニックが起こった。
私は涙を流し、呼吸がし辛くなってしゃがみこんだ。
周りは心配してくれたのか私を囲んでいた。それは私にとって恐怖でしかなかった。
先生は私のことを知っていたから、その人たちに離れるように言ってくれたが、誰も聞いてくれなかった。
彼女らは何もできないのに、何かしないとや面白がっている。その恐怖から誰か助けてと心の中で叫んだ。
ドラマやアニメであるような展開だと思うけど、救ってくれる人がホントに現れた。
彼とは年がニ歳違っていて、私が中一で向こうは中三だった。
あの人は受験生なのに授業をサボって、運動場の横をのんきに歩いていた。
それで少し騒ぎになってる私を見つけた。それが私達の出会いでもあって。
「お前ら、コイツ嫌がっているじゃん。何でわからんのアホか! 」
あの人は大声で言うと、みんなを払いのけて私を抱き上げてくれた。
そのままの状態で保健室に連れていき、ベッドに寝かしてくれた。
「ゴメンな。勝手にこんなことしてな」
私は、あの人は優しい人と直感で思った。あの人は私に悪いことは何もしていない。
むしろ、私にとって嬉しいことを言ってしてくれた。
「ここに来ても保健の先生も今いないし、 何をして欲しいか分からねぇーけどな。さっきのアンタは嫌がってるし、困ってる。先生たちがとめてもアイツら調子ノッてんだ。俺が、悪もんになっても今更だしな」
あの人は、私を心配して助けた行動で、人が嫌に思う感情で悪者になってもいいと。寂しそうに笑っていた。
「ゴメンな。あんまり話しかない方がいいよな。俺はこっちでいるから、あっ、ティッシュここに置いとくぞ」
あの人は言うやいなや、カーテンをシャーと締めた。
カーテンの向こうにあの人の気配を私は恐怖じゃ無くて、温かく感じた。
次第に、パニックも落ち着いて、普通に話せるようになった。
「大丈夫か? 」
「あの、はい、心配かけてすみません」
「アンタが謝ることじゃねぇーよ」
「そうだ。アンタの名前教えてくれねぇーか? 」
「野崎彩香里です」
「そうか、野崎さん? 」
「はい、何でさん付けですか? 」
「呼びかたって、ムズいよな」
「そうですね」
「彩香里? 」
「今度は下の名前で呼び捨てですか? 」
「あっ、そうだったな」
「フフッ」
「笑ったな! 」
「すみません」
「また、謝ったな。彩香里は謝るな、笑顔で笑ってるほうか似合うぞ」
「そうですか? 」
「あぁ! 」
私達は、保健の先生やそれぞれの担任が来るまで保健室でどうでもいいことを話していた。
読んでいただき、ありがとうございます!