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0話 プロローグ

 少し暗い内容になるかもしれません。

 セミがミーンミーンとうるさくて、太陽の光が強くて、日焼けをする暑い夏の日のこと。

 

 私は自分の持ち物を全て売って、高校を退学してバイトで貯めてたお金は育てくれた施設に寄付をした。

 園長先生にバレないように、パソコンで宛名を印刷にした封筒にお金を入れたあとに、ポストに投函してピンポンを押してダッシュで逃げた。

 

 アパートに帰っても、部屋には当然何もない。不動産会社に、部屋を引き渡す日までは住んでいいと言われた。

 そんな部屋の中にある自分のものは、スマホと充電器と財布とそれに入ったお金だけ。あと、ショルダーバッグもあった。

 冷蔵庫も洗濯機も扇風機も布団もみんな売ったから、今日は床で寝るしかない。

 暑さを(しの)げるのは、部屋に備え付きのエアコンだけ。カーテンもレースもないから、日差しがキツイ。


 私には両親もきょうだいも友達もいないから、悲しむ人なんていない。

 やっぱりいるか、園長先生にはお世話になった。施設を出てからも、何かと世話になっている。

 そのお金をさっき返しに行った。先生のことだから、何か察したのかもしれない。連絡を取られるのが嫌だから、着拒にした。

 私には、何もない。いや、私は大切なものを全て捨てたから何もない。

 たぶんそうやって自分に言い気がしているのだろう。


 みんなの優しさに甘えすぎないよいに、みんなに見捨てられないようにしてきた。

 だって、もう独りになりなくなかったから。

 本当は、もっと生きるはずだった。でも、 大好きなあの人よりも長くは生きたくなかった。

 大好きな人は、私と同じ十七歳でこの世を去ったから。

 あの人がいない世界に、これ以上生きたくなかった。


 私が死んだら、このままの姿であの人に会えるはずだから。

 生きていたら出来ないことがあるはずだから。

読んでいただき、ありがとうございます。

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