表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/72

悩み多き日々

わいわいと賑やかで美味しい香りが漂う和風居酒屋で、我がIT管理課インフラグループの歓送迎会が行われた。


グループ長だった早田さんがIT管理課長に昇進してグループを出ていくのだ。それと入れ違いに、入社二年目の大野樹くんがインフラグループに入ることになった。といっても大野くんは半年前から先に異動してきていて、その時はバタバタして歓迎会が出来ていなかったので、このタイミングで一緒に歓送迎会になったというわけだ。


インフラグループはヘルプデスクの業務も兼ねているため、他の部署より派遣の女性が多い。それゆえ、こういった飲み会の席では女性同士固まって座ることが多くなる。


その中でもとりわけ仲の良い、ベテランパート社員の祥子さんと、若くてフレッシュな派遣社員の真希ちゃん、そしてインフラグループ唯一の女性社員であるアラサー独身彼氏なしの私、朱宮姫乃がおしゃべりに花を咲かせていた。


女性が集まると主賓そっちのけでとたんに女子会のノリになる。


「あ~早田グループ長がいなくなるなんてショックです。」


「そう?まあ、なかなか良いグループ長だったけどねぇ。」


「癒しがなくなりますよぉ。」


真希ちゃんはしょんぼりと項垂れ、祥子さんはビールを煽りながらガハハと笑った。


早田グループ長は女性の間では“イケメンエリート”と称されていてなかなか人気が高い。高身長、高学歴、高収入とはよく言ったもので、プラス容姿端麗ときたらそれはもう人気が出るのがわかる。他の女性たちからも、それぞれに嘆き節が聞こえていた。


そんな彼女たちの話を聞きながら、私は一人黙々とサラダを取り分け、注文したドリンクを配っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ