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流れ着いて異世界 〜仕事が忙しいので世界平和は他の人に任せます〜  作者: 幸運を殺す者
第一章 賢者の見守る町
20/20

20. 新たな修業

毎週火曜と土曜0時に一話ずつ更新です

よろしくお願いします

「よし、では体の中の魔力を探るんじゃ。」


「………魔力…掴めました。ここまでは早めに来れるんですよね。」



これから始める新たな修業において、魔力を感じることが重要な要素になるらしい。

まだ俺には無意識下で魔力を感じることは出来ないので、ひとまずいつもの修業を再開する。



「次にそれを体全体に広げるようなイメージをするんじゃ。既に拡がっている、といったイメージの仕方でも構わん。

大事なのはその結果に至るための段階が、頭の中でイメージ出来ているかじゃからな。」


「すぅー、はぁー。……ふぅー。…よし、来ました。」


「よいぞ、よく集中出来ておる。そのままそれを体の外に出すイメージをするんじゃ。

代表を這わせるようなイメージでも構わんぞ。」



ここからだ。これが未だに上手くいかないのだ。

だが、自分の中でもかなり集中出来ている気がする。

上手くいく。そんな感覚があった。



「いけそうです。」


「よし、ではやるぞ。纏うことが出来ていれば、通常の魔術程度では何も感じないじゃろう。」



…なんだろう?体の表面?というか皮膚が熱を帯びているような。

なるほど、魔力の放出…そして魔力を纏うとこんな感覚にって……



「あっつぃ!あっつ!あつぅ!!」


「ははは!しっかり魔術は効いとるのう!失敗じゃ。

よーしもっかい集中いってみようかの!」



どうやら集中しすぎて何も聞こえなくなっていたようだ。

師匠が魔術を使ったことにすら気づかなかった。

しかし本当に防げるようになるのだろうか…



いや、たった一回の失敗で折れていてどうする。



「…お願いします。」


「ほぉ…随分と早く集中出来ているようじゃの。」



先程の間隔…もし魔力放出のものだったとしたならば、それが魔力を纏うということならばイメージはしやすい。

まるで衣服を体に身につけるように、体内に感じる魔力で体表を覆うイメージを作っていく。



「はぁあああ……ふぅぅぅ………」


「おぉ………ちと試してみるかの…高位火術(ハイ・ヒート)


「…ぐぅあああっつぅ!!いっでえぇえええ!!」


「辛いが耐えるんじゃ。そのまま集中を切らすでないぞ。」


「ああああ!!はいっ…!…ぅぅ……はあああ!!」



体はジリジリと焦げるように熱く、周りの酸素が薄くなっていくような呼吸のしづらさを覚える。

だが、死ぬほどではない。そうだ、これで死ぬことは無い。

この経験は、この世界で生きるには必要なことなのだ。


師匠が戦っていた竜のような怪物。

突如斬りかかってくるような者や、言葉と視線だけで死の恐怖すら覚えさせる者。

そんな存在を相手にするかもしれないのがこの世界なのだ。

ならばどれだけきつかろうとも、魔術を使えない俺は魔闘術とやらを習得する必要がある。



「うぐぅうぅ……」


「よ、よし!良いぞ!そのまま体の中の魔力を集めていくんじゃ。」


「………あっ……む…り…」


「ぬぁッ!!?」



いや、うん、頑張ったんだ。

だから…そんな辛そうな顔しないでくださいよ、師匠。


体中が焼けるような熱さに包まれながら、俺は気を失った。

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