20. 新たな修業
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「よし、では体の中の魔力を探るんじゃ。」
「………魔力…掴めました。ここまでは早めに来れるんですよね。」
これから始める新たな修業において、魔力を感じることが重要な要素になるらしい。
まだ俺には無意識下で魔力を感じることは出来ないので、ひとまずいつもの修業を再開する。
「次にそれを体全体に広げるようなイメージをするんじゃ。既に拡がっている、といったイメージの仕方でも構わん。
大事なのはその結果に至るための段階が、頭の中でイメージ出来ているかじゃからな。」
「すぅー、はぁー。……ふぅー。…よし、来ました。」
「よいぞ、よく集中出来ておる。そのままそれを体の外に出すイメージをするんじゃ。
代表を這わせるようなイメージでも構わんぞ。」
ここからだ。これが未だに上手くいかないのだ。
だが、自分の中でもかなり集中出来ている気がする。
上手くいく。そんな感覚があった。
「いけそうです。」
「よし、ではやるぞ。纏うことが出来ていれば、通常の魔術程度では何も感じないじゃろう。」
…なんだろう?体の表面?というか皮膚が熱を帯びているような。
なるほど、魔力の放出…そして魔力を纏うとこんな感覚にって……
「あっつぃ!あっつ!あつぅ!!」
「ははは!しっかり魔術は効いとるのう!失敗じゃ。
よーしもっかい集中いってみようかの!」
どうやら集中しすぎて何も聞こえなくなっていたようだ。
師匠が魔術を使ったことにすら気づかなかった。
しかし本当に防げるようになるのだろうか…
いや、たった一回の失敗で折れていてどうする。
「…お願いします。」
「ほぉ…随分と早く集中出来ているようじゃの。」
先程の間隔…もし魔力放出のものだったとしたならば、それが魔力を纏うということならばイメージはしやすい。
まるで衣服を体に身につけるように、体内に感じる魔力で体表を覆うイメージを作っていく。
「はぁあああ……ふぅぅぅ………」
「おぉ………ちと試してみるかの…高位火術」
「…ぐぅあああっつぅ!!いっでえぇえええ!!」
「辛いが耐えるんじゃ。そのまま集中を切らすでないぞ。」
「ああああ!!はいっ…!…ぅぅ……はあああ!!」
体はジリジリと焦げるように熱く、周りの酸素が薄くなっていくような呼吸のしづらさを覚える。
だが、死ぬほどではない。そうだ、これで死ぬことは無い。
この経験は、この世界で生きるには必要なことなのだ。
師匠が戦っていた竜のような怪物。
突如斬りかかってくるような者や、言葉と視線だけで死の恐怖すら覚えさせる者。
そんな存在を相手にするかもしれないのがこの世界なのだ。
ならばどれだけきつかろうとも、魔術を使えない俺は魔闘術とやらを習得する必要がある。
「うぐぅうぅ……」
「よ、よし!良いぞ!そのまま体の中の魔力を集めていくんじゃ。」
「………あっ……む…り…」
「ぬぁッ!!?」
いや、うん、頑張ったんだ。
だから…そんな辛そうな顔しないでくださいよ、師匠。
体中が焼けるような熱さに包まれながら、俺は気を失った。
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