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流れ着いて異世界 〜仕事が忙しいので世界平和は他の人に任せます〜  作者: 幸運を殺す者
第一章 賢者の見守る町
14/20

14. 第一回賢者主催魔術講義

毎週火曜と土曜0時に一話ずつ更新です

よろしくお願いします

「よし、ではまずお主に修業をつける前にじゃ。

その行き着く先で何が身に付くかを教えてやろう。」


二人で笑いあった後、師匠は立ち上がりそう言った。

だが魔術を使えない、才能なしと断言された俺に一体何が身に付くというのだろうか。


「お、お願いします。」


「なんじゃ?あんま納得いっとらんような顔じゃな。」


「いや、魔術を使えない俺に身に付く物なんて何も無いんじゃないかと思いまして。」


「はっはっは!そんなことか。安心せい。

魔術なんて誰でも使えるもんでは無いわい。」


「では一体……?」


「その名も魔闘術じゃ!」


「まとうじゅつ…ですか?」


「そうじゃ。()(まと)(すべ)、転じて()(たたか)う術となり魔闘術という訳じゃ!」


魔を纏う…?魔術が使えないのに、そんな難しそうなことが出来るのか?



「分かりやすい奴じゃのう。安心せい。

むしろ魔術が使えないからこそ、使いこなせるじゃろう。」


「あの…平然と心を読むのやめてくれませんかね?」


「まあ魔術と魔闘術の違いを教えれば、儂がそれを勧める理由が分かるじゃろ。」


「無視ですか…まあいいです。教えて下さい。」


「うむ、まず魔術の原理じゃ。

体内の魔力を自身の魔術適性に通すことで、属性を付与する。

その後、属性付きの魔力を体外に放出する。

すると空気中に無数に存在する魔素原子と結合し、魔術の待機状態へと変わる。

最後に魔力を再び放出し、方向を与えることで自分や相手に使えるんじゃ。

ちなみに詠唱はこの一連の流れをイメージしやすいようにした物じゃな。」


「なるほど。だから魔術適性がない俺には、そもそも使うことが出来ないと言うことですか。」


「そうじゃな。」



しかしこの話を聞く限り、纏う?のにも魔術適性が必要な気がする。

そもそも魔術適性を通すことで、体の外に魔力を出せるような言い方だ。


「次に魔闘術の原理じゃ。

体内の魔力を魔術適性を通さずに体外に放出する。

すると、属性を持たない魔力は即座に魔素原子と結合し体表に留まるんじゃ。

この現象や状態を纏い、と呼ぶ。

その纏いの状態を維持して立ち回ること。

それ即ち魔闘術なんじゃ。」


「あー魔術使えるなら誰でも使える基礎の応用みたいな感じですか?」


「いや、それがそうでも無いんじゃ。

話だけ聞くと魔術のが難しそうに思える。

だがな、普通魔術適性を通さずに魔力を体外に出すなんて真似誰もやらんのじゃよ。

感覚的に言えばそうじゃな…手元にあるマッチを使わずに、木を擦り合わせて火を起こそうとするようなもんじゃな。

つまり、魔闘術の方が難易度が高いんじゃよ。」


「ところが俺は魔術適性を持たない。」


「そうじゃ、つまりお主は最初からこの魔闘術しか使えない。

うってつけじゃな。」


それなら稽古次第で身に付くのかもしれない。

だがそれは、一つの前提があってこそだ。

魔術と魔闘術、互いに共通している必須要素。

それが俺にはない。



「ですが、そもそも俺には魔力なんてありませんよ。」


「それはどうじゃろうか。お主の体には、心の臓にまで及ぶ呪術の術式が刻まれておるんじゃがな?

呪術は、呪い。

相手の体からエネルギーである魔力を奪い、発動し続けて殺す禁術じゃ。

お主の場合、その効力がもたらすものは治癒術の自動阻害。

自身に使われた治癒術を、即座にその場で相殺することが出来る。」


「あの、相殺ってのは?」


「単純に言うと、同じ属性の同じ量の魔力をぶつけることにより、魔術を破壊することじゃな。

まあ、ともかくじゃ。

そんな呪術が体に刻まれ、機能し続けているにも関わらず平然と生きているということはじゃ。

お主にはそれだけの魔力があるって事なんじゃよ。」


「もしかして俺って凄いんですかね?」


「自惚れるな!この馬鹿者!」



そう言って少し強めの手刀で頭を叩かれた。

まあそれはそうだな。

結局魔術適性もなく、魔闘術とやらもまだ使えるかどうかすら曖昧だ。

いくら魔力があるとしても、その使い道が無いのでは宝の持ち腐れになってしまう。



「すみませんでした。」


「うむ、分かれば良い。

今のお主に過信は禁物じゃ。確かに自分の力に自信を持つことは大事じゃ。

それ即ち限界を知ることにもなる。

じゃが過度な自信は確実に身を滅ぼす。

ゆめゆめ忘れぬようにな。」


「分かりました。」


「よし!では今日は命からがら逃げ帰ってきたことを、もう一度儂の元を訪れる約束を守ってくれたことを評価して休みとする。

明日から修業を始める。厳しく鍛えるから今のうちに休んどくんじゃよ。

それと、お主がここに来た時に寝かせていた部屋は自由に使って良い。

魔術に関する文献も置いてあるから、暇は潰せるじゃろ。」


「ありがとうございます。使わせていただきます。」


「うむ。では解散じゃ。」


そう言って師匠は先に聖堂へと入っていった。

少し間をおき、指示された聖堂内の部屋へと入る。

しかしこれはお金を払わずに泊めてくれるということなのか?

流石にそれは甘えすぎな気もする。

明日の朝になったら、清掃の賃金としてもらったお金を宿泊代と修業代として納めることにしよう。

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