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Light Snow Love
どうして、と。
何度も問いかけるキミに背を向けたあの日。
俺のなかでは今も、淡い、牡丹のような雪が、消えてくれない。
「しゅう」
遠くの方に、見えてきた、愛しい彼の姿。
うろうろと歩き回り、腕時計を何度も見ている。
そんなに遅れたかな・・・。
思わず肩がすくむ。
きっと、怒られる。理由もなしに時間に遅れるなんて。しかも、寝坊。
「まあ、大丈夫・・・だよ。うん」
1人うつむいて、呟いた。
足元に広がるコンクリートの地面。寒さからなのか、ところどころ白くなっている。
「愛」
体全体が影に隠れて、顔をあげた。
「あはは・・・ごめんね」
「ふーん・・・」