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【ガチャでN(ノーマル)しか出ない呪い】が実は最強チートだった!? 99%即死効果の糞ガチャ異世界を生き延びる!!!  作者: 住之江京
Chapter008:シュガーフィールドの町

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143. 激闘の末

 激闘の末、僕は1対23の戦いに勝利した。


〈余裕だったじゃないですか〉


 と、横で見ていただけの二本松さんは言う。

 いや、大激闘だったでしょ。


 どうやら忍者の人に耐性貫通スキル持ちがいたようで、久しぶりに戦闘で傷を負っちゃいましたし。


〈貫通量は5%程度でしょう。唾付けておけば自然回復し(なおり)ますよ〉


 手裏剣に毒が塗ってましたし。


〈毒の方は5%程度の耐性貫通では蓄積されないでしょう〉


 あと何かありましたっけ。


〈特にないですね〉


 ええ……自分としては本当に激闘だった印象なんですけど……。

 数が多いから単発の矢では間に合わないし、逃げられてもまずいから視野は広げっぱなしだし。

 あっ、あと拘束するのが大変でした。


〈完全に舐めてますよね?〉


 そんな話をしている所へ、一時避難していたコレットさんがとっとこ戻って来る。


「ただいまですワン」

「お帰り。大丈夫だった?」

「こっちには誰も来ませんでしたワン」


 伏兵なんかもいなかったらしい。それは何より。


「この人達はどうしますですワン?」


 コレットさんは、僕の足元で手足を拘束され、目隠しをされ、猿轡を噛まされた23人(全員いた)を横目にそう尋ねる。


「どうしようかな。本当に」


 反政府組織の人だから、奉行所に連れて行けば対応はしてくれると思う。

 ただ、そうなると事の経緯を聞かれるし、僕が反政府的な立場にいることもバレてしまうだろう。


〈放置すると何をするかわかりませんし、殺すのが楽でしょうか〉


 冒険者ギルドがあれば、そっちに丸投げするんですけどねぇ。

 この町にだけないのか、この国にないのか……隣町にあったとして、そこまで引き摺っていく訳にもいきませんけど。


 あ、そうだ。


「何だっけ。この近所に確か、冒険者ギルドっぽい組合があるんじゃなかったっけ」

「はいですワン。そこでうーうー唸ってる人に聞きましたですワン」

「とりあえず、そこで引き取ってもらえるか訊いてみよう」

「わかりましたですワン」

〈方針が決まったようなので、俺は寝ますね〉


 ということでコレットさんに見張りをお願いして、僕はその何とかいう組合を探しに行った。




 用心棒協同組合なる組織の受付侍さんに「怪しい連中に襲われたので返り討ちにして捕縛しました」と伝えると、フットワーク軽くわざわざ検分について来てくれた。


「おお……これは賞金首が何人が混ざってござるな」


 受付侍さんは、大量の拘束された侍、芸者、忍者を見てちょっと引いたようだった(僕も改めて見るとちょっと引いた)けど、すぐに人相などを確認し、賞金情報と照合してくれる。


「お金がもらえますですワン?」


 コレットさんが受付侍さんに尋ねた。

 なお、犬人(ライカン)だとバレないよう、既にフード付きローブで顔は隠している。


「ワン……? ああ、お嬢ちゃん。この人達は奉行所から捕縛依頼を受注していたので、生け捕りで連れて来たらご褒美がもらえるのでござるよ」

「すごいですワン! 聞きましたですワン、お兄さん? これだけいれば大儲けですワン!」

「ああいや、流石に全員には賞金もかかってないでござるよ……」


 それでも、こっちに来てから収入が無かったから助かるなぁ。


「人数が多いので、応援を呼びに戻るでござる。

 それにしても、侍に忍者に芸者に……7の、17の、全部で23人でござるか。これを1人で捌くとは、かなりの腕前でござるなぁ」

「いえ、ギリギリの激闘でした」


 二本松さんはもう熟睡しているのか、特にツッコミなどは入らない。


「ははは、御謙遜召されるな。

 もし宜しければ、うちの組合に用心棒登録をして、依頼の方も受けて欲しいでござる」

「はあ……依頼ですか?」


 もうこの町では、蝙翼人の人達がいそうなお屋敷に潜入して、何があっても、何もなくても、それで終わりにしようと思ってたんだけど。


「勿論、無理にとは言わんでござる。ただ、多勢の忍者を軽く捕まえた腕を見込んで、お願いしたい件があったのでござるが」


 何だか厄介そうな話が始まりそうなので、僕は断ろうと思った。


「実は近頃この町では、夜になると……空飛ぶ人のような魔物が出るのでござる」


 断ろうとは思ったんだけど、話を聞いた方が良いような予感もした。

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