表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ガチャでN(ノーマル)しか出ない呪い】が実は最強チートだった!? 99%即死効果の糞ガチャ異世界を生き延びる!!!  作者: 住之江京
Chapter001:異世界転移

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/211

011. この世界の食物連鎖は成立してるの???

 空気が読めないとはよく言われるし、相手の反応を見ていれば自覚もできる。

 人の心がないとまで言われたこともあるけど、あれは言った方も人格者では全く無かったから、ノーカウントで良いかな。


 いきなりバスで事故死して、家族のいない異世界に飛ばされて、友達を含む沢山の人が目の前で爆死して、それでも頑張って、初対面の相手と一緒に生き残ろうとしていた女子高生の人に、「異世界転移して良かったね」は確かに無いんだろうな。

 普段なら思ってても口には出さないよ。でも、朝は弱いんだよ。


「あっ、魚だ」


 僕は川上の方、山本さんは川下の方に別れて進んだ。

 僕1人での生存確率は、川上の方が若干高いらしい。お礼にトレッキングポールを渡そうとしたけど、自分1人ならどうとでもなるから要らない、と言われた。

 彼女の身体能力は僕より高いし、危機感知のスキルは優秀だ。実際どうとでもなるんだろうな。


 だから僕は1人、草原の奥の奥、遠目にうっすら見える山に向かって歩いている。


「……獲れないかな、魚」


 1人で歩いているのは、思ったよりも退屈だった。

 たまに出てくる(はぐ)れウサギを狩る意外は、本当に何のイベントもない。草原パターンは強制イベントが定石じゃなかったの?


「地引き網みたいにしたら行けるかも」


 僕は制服のシャツを脱ぎ、濡れるから靴とスラックスも脱いで、上半身はジャケットにネクタイという出で立ちで川に入った。


 シャツを水に浸け、警戒心の薄い小魚の群れを、ガバッと一気に掬う!


 水の抵抗がすごい!


 大半の魚が逃げる!


「あ、でも1匹獲れてる!」


 逃げ遅れた間抜けな魚を川原に揚げ、デイパックから出した折り畳みナイフで捌くことにした。


 例によって、角の生えた小魚だ。フナみたいなやつ。


 鰓にナイフを差し込まれた魚は、びくりと震えると徐々に姿を消して―――魚の鱗がドロップした。


「……流石にこれは駄目でしょ」


 この世界の食物連鎖は成立してるの???


 というか、小魚は10センチ程だったのに、鱗は10円玉くらいのサイズがある。明らかに元の魚の鱗より大きい。

 やはりドロップ品は、元の生き物のパーツがそのままアイテムになっている訳ではないようだ。


 植物ならどうか、と試しに草原の草を抜いて磨り潰してみたら、15本ほど続けた所で、明らかに異常な物がドロップした。


 乾いた木の枝だ。焚き火に使った流木に似ている。


「何なんだろうね、この世界」


 こういう時に、疑問や感想を共有できる会話相手がいないのは、本当に良くない。寂しい。


 これは多分、山本さんが抱いていた不安感とか、ストレスとかに近い物なんじゃないだろうか。


 少しだけ解った気がする。

 二度と人間関係で失敗しないように、注意しよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ