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帰宅冒険記  作者: 黒胡椒
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森の熊

歩き始めてどれほど経ったのか、時間を知る術がない彼には分からないが、青年は遂に川に辿り着いた。


「川の水とかって飲むのはあんまり良くないんだっけか。でもそんなこといってられないしなぁ」


飲み過ぎないように気をつけながら手で水を掬い、飲んでいく。ついでに顔を洗って近くの木陰に腰を下ろした


考えるのはこれからのこと。これで箸でも流れてくれば上流に向かうのもアリだが、やたらと歩き回るのは青年にとって気の進まないことであった。靴を履いてない上に、道が舗装されていない森の中を歩いているので、すでに足の裏が痛くなってきているのだ。


だが、急ぎたいのも事実。装備も何も無い状況で森の中で夜を迎えるのは出来れば避けたいところなのだ。幸運にもまだ野生生物は見ていないが、鳴き声などは聞こえていた。


「ああ、動きたくない、けど動かないとヤバい…。誰か助けてくれないかなぁ」


立ち上がり、歩き出したところで背後でバキッと枝が折れる音がした。

振り向きたくは無かったが、恐る恐る振り向いてみると1頭の巨大な熊がいた。


「誰か助けてとは言ったけど、熊が助けてくれるとは思わないよ!?」


そう叫ぶと彼は致命的なミスを犯してしまった。熊に背を向けて逃げ出したのだ。


熊の目が光り、獲物を捕らえるため、力強く走り出した。


熊の走る速度は時速約5~60km。平坦な道で追いかけられれば、まず逃げることは不可能だろう。彼もそれをどこかで聞いていたし、出会ったときの対応策も聞いてはいたが、反射的に体が動いてしまったのだ。

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