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氷の魔法を使う者  作者: ファイル
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06話 実質最強だよな

「特異魔法の強奪?」

「はい」


「あっ!ティアさん!それ俺の友達がされたらしいっすよ」

近くの机で昼食を取っていた1人が反応する


「...まだ噂話の域でしか広まってませんが奪われた人に直接会ってきたので間違いないです」

「ティアが言うならそうなんだろうなぁ」

「えっ、おれは?」

「あなたの友達からも話は聞きました」

「おおぅ」


「それで何人くらい?」

「5人です、三日前から2人ずつ、なのでおそらくもう1人奪われた人がいると思います」

「今日も2人奪われるかもしれないと」

「おそらく」


「なんだそれ、こわいな」

「まじかーあいつ以外にもやられたやつが...」

周りがざわついてきた


「どんなのが奪われたんだ?」

「魔力削減系かと思われます」

「それって...」

「はい、特定の魔法だけ魔力消費なしで使えるようになる特異魔法です、つまりは目立ちにくいんです」


「うわー...それって関わらないように生活出来ない?」

厄介極まりない


「フェルさん!そいつ倒して捕まえましょうよ!」

「友達の仇!」

「ずりぃ、ゆるさねぇ!」


「多分ですけど力を付けたらフェルさんも狙われるかと」

「うへぇ...」

「それに奪われた人は1年生だけなんです」


「そいつ、捕まえましょう」

黙って食っていたセレナが声を上げる


「特徴は?」

「赤いフード、だけです」

「え?」

「全員、後ろから襲われて姿を見ていないんです」


「なんで奪われたって分かるんだ?」

「...例えばですけどファイアスピアを魔力消費なしで使える特異魔法の人が奪われたら、ファイアスピアの使い方が分からなくなるようです、そして去り際にお前の特異魔法はいただいた、と言って去るんです」


「スゥー...

待ってくれ、理解が追いつかない」

「フェル、ティアの説明はすごくわかりやすいわ、つまりは使い方そのものを奪われているのね」

「そうなのか?」

「今までに速さに関係する特異魔法を奪っていたら私たちじゃ追いつけないわ」


「それって学生証の特異魔法になんて記録されるんだ?」

「それは...」

「強奪とか?」

「そしたら先生になんか言われるだろ」

普通に考えれば先生が止めるはずだ


「はっ」

「なにかわかったのかセレナ」

周りから期待の目で見られるセレナ


「先生もグルなのね!」

「...セレナはダメみたいだな」

周りからもため息が聞こえる


「ちょっとなによ、じゃあどう説明つけるのよ」

「うーん...」


「とりあえず捕まえる方向性で、この中に魔力消費削減のやつ入るか?」

「あ、はい...」

「俺もです」


他にも2人手を上げる

「4人か...一人行動はしないように、周りもできるだけ協力してくれ」

「そうだな」

「うん、うん」


「ちなみに威力増加系や性能追加系は?」

おおいな、流石に特異魔法の種類の多くを占めるこのふたつは...無理だろう


威力増加系は色が変わったりと見た目に変化があるのも大きい

性能追加系はそれこそ特異だ、操作可能とか追尾性能とかだから、今までできなかった人が急にできるようになるとすぐにバレるだろう


「今日は怪しいフードを探すから、賭け勝負はなしにしよう」

「あら珍しい」

「む、じゃあセレナやってくか?」

「結構よ、私も暇じゃないわ」

そう言って立ち上がりさっさと教室から出ていく


「1人で襲われても知らねーからなー!」

「わかりましたよー...」

「んー...」

どうにも腑に落ちない所があるんだが...


「俺たちも探しましょうか?」

「じゃあ合図とか決めときましょうよ」

「火か水魔法を打ち上げるとか?」

ガヤガヤと相談をし始める

「おまえらノリノリだな...」


そんなわけで今は学内を練り歩くことにした

「ティアは嬉しそうだな」

「えへーそうですね、最近はお兄さまと2人で歩く機会が少なかったので」



「特異魔法を奪えるんだったら実質最強だよな...」



ボンッ!

爆発音がする

これはフードが現れた合図だ

「向かうぞ!案内!」

「はい!」


ティアを必死に追いかけていく

すると1人が尻もちをついた形で座り込んでいる

「フードはっ?」

「友達が追いかけて...」

「ティアっ!」

「すぐに!」

ダンっ

ティアの姿が消える


「落ち着いて思い出せ、状況を説明するんだ」

「あ、ああ...俺たちは4人で行動してたんだ、それで1人がトイレに行ってもう1人がトイレの方を向いた瞬間に急に目の前に現れたんだ」


「急に?」

「ああ、気がついたら目の前にいた、そして、俺を含めた2人を同時に腹パンしてきて、こう言ったんだ『お前らの特異魔法はいただいた』って、もう1人がは削減系じゃないはずなんだ、おかしいって」


「落ち着け、愚痴なら後で聞く、質問に答えろ」

「おう...」

「腹パンの威力は?」

「...は?」

「いいから」


「1度足が浮いた...し、頭が真っ白になった」

「えぐ...背丈は?」

「確かずっと中腰で...いや、見れてない」

「奪われたもう1人は?」

「怒って追いかけていった」

「おいおい...」


「とりあえずここで待つ、ティアが補足できれば流石に捕まえれるだろう...」



「すいません、確認すら出来ませんでした、途中ステラさんとぶつかってしまい時間を無駄にしてしまいました」

「そうか...」

追いかけた3人とティアが戻ってくる

「あいつ...俺の特異魔法を...」

「やっぱり奪われたのか?」

「ああ、殴られた時に力がなくなったのを感じたんだ...」



そのままどうすることも出来ずに解散となった


「と、言うことがあったんです先生」

こういう時は先生に相談を


「...はーそいつはやばいな、で?」

「で、とは」

「私たちは何もしないぞ?」

「え?」

「私たち教える側は立ち位置が特殊でなー...そいつはこの学園でのし上がろうとしてるかもしれないだろ?それを潰すのは出来ないんだ」

生徒の上下には関わらないと


これ以上はなんも言わん、なんなら学内新聞に取り上げてもらうか?

と話を切られてしまった


まぁ、ティアも何もしてくれませんよと言っていたから期待はしてなかったが...



次の日、号外という形で学内新聞が生徒全員の手に渡った


情報提供はしていないから別の人が提供したんだろう

「お兄さま...」

「どうした?」

「被害が10人越えとなってます」


昨日までの被害者は5人か6人だったはず

「一気に動いてきたな...」

「これを見て警戒が高まるので動きずらくなるとは思いますが...」


「奪う特異魔法か...」

「奪ったあと返せるんですかね...」

「すると2つ?いや、奪う方は返す義理なんてないか」


「何か情報があればいいのですけど...」

「情報...か、先輩の所に行って見るのはどうだろう」

「そうですね!行ってみましょう!」



「ふっふーんっ来る必要は無いわ!」

寮から出ると赤ポニテの先輩が座って待っていた


「...何してんですか」

「あなた達の映像がないって上に怒られたのよ、だから会いに来たわ、ついでに新しく出来た寮の見学よ」


「見学ですか...それはそうと今朝の新聞見ました?」

「そりゃ見たわよ、新聞なんていつも貼っつけられてるだけだもん」

制作コストの問題かな


「それで強奪魔法についてですけど」

「誰が持っているか?でしょう?でも教えないわ」

「む、それはどうしてですか?」

「私はあなたの特異魔法が知りたいから」

「交換条件ですか」

「いえ、彼の氷魔法をばらされたくなければ、だから脅しよ」


ん?

「いえ、べつに俺の特異魔法は」

バレても...

ティアが人差し指をたてて抑制してくる

「そうですか、そうですね、私の特異魔法を教えます、なので強奪魔法の所持者を教えて貰ってもいいですか?」


「いいわよ、ちなみにこの魔道具で録音してるからね」


準備のいいこと...


「はい、そちらも約束を守ってくださいよ?」

そう言いながらティアも同じ魔道具をだす


「おいおい...」

なんだこの2人


「私の特異魔法は移動速度の強化です」

「...それだけ?」


「む、不満ですか?」

「いや、ちょっと評価が高すぎただけよ」


...

気まずい空気が流れる


「じゃあこっちの情報ね、強奪魔法、または他人の魔法を奪えるような特異魔法を持っている人は、いなかったわ」

「はっ?」

「えっ」


「嘘はついてないわ、登録の時にあなた達みたいなのがいれば別だけど、私も、いや、私達も例の強奪魔法使いを探せって言われてるもの」


「そんな...」

「ガッカリさせてごめんね?私達も知らないの、むしろどこにいるか教えて欲しいくらいね

まぁ知ったらあなた達には教えてあげるってことで」


そう言って立ち去る先輩


「情報なしですね...」


どうするか...



ひとまずは教室に向かう

いつもの教室なのだが...

「茶髪?」

「おーフェルー...」

「どうしたこんなとこで」

ぐったりして元気がないことが目に見えてわかる


「強奪魔法、あるじゃん?」

「ああ」

「俺も奪われてよー...」

「それで元気がないのか」

「フードの子にぐわってやられてよ」


「硬化が?」

「おう、奪われちまった」


「んでどうしてここに」

「いや、奪われた時から誰かに頼ろうとはしてよ、フェルを探してたんだよ」


シンプルに場所が分からなかったのか...

「俺の特異魔法取り返してくれぇ...」


「返せるかは別として、犯人くらいは捕まえてやるよ」

スキルとかの世界なら最強格ですよね

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