49話 化け物
鉄の檻は出入口はあるけどまぁ閉まっている
ガシャンガシャン
叩いたり揺さぶるけど...何となく魔力を取られるな
この檻すげー
ガチャ
部屋の扉が開いて執事さんが入ってくる
「フェル様、私達はいま、命令され、従わされています」
今の状態を教えてくれる執事さん
命令の強制力あんまり無いのか?
ペラペラ喋れてるって...
シャラン...
執事さんが細い剣を腰から抜く
「次は、殺せと命じられました...」
シュパンっ
ガラガラ...
ぼとっ...
鉄の檻が切られる
「おぉ...」
凄まじい切れ味、次は我が身か
「私を...殺してください、そしてどうかお嬢様を...」
顔の表情はこちらを睨んではいるが
その目からは涙が出ている
『殺せ...殺せ...』
執事さんを殺しても解決はされないよ?
「ソエルは助ける、あいつも殴る、任しといてください、凍れ」
鉄の檻の中、まぁ入口切れてるけど
なので念の為両手で凍らせようとする
両手から氷を風のように執事さんに向けて放つ
執事さんを足元から凍らせることは出来なかった、鉄の檻の影響か?
「はっ!」
氷の風を切る執事さん
「おー」
まぁ凍らせるまで放ち続けるけどさ
「たのみ...ました...部屋に、おります...」
パキパキと凍っていく
ソエルは部屋...どっちの部屋かに連れていかれたらしい
切られた檻の間から抜け出し、部屋から出る
「おらぁっ!」
黒ずくめの人が襲いかかってくる
「うおっ!?」
『ふふっ!』
手をクロスして構えるが襲われることは無かった、目を開けると黒ずくめの男は凍っている
『もっと...』
急に襲ってくるなんてっ!
「はあっ!」
凍っている男の腹をぶん殴る
バリンっ!
氷が砕けながら廊下の向こうへ吹っ飛んでいく
...え、なんで殴っちゃった?
『後ろ』
振り向きざまに氷の剣を作りながら
振り切る
「せいっ!」
「あがっ!?なっ...」
短剣で腰を低くして近づいていた男の肩を切る
うわっ、痛そう
男の返り血を浴びる
「...ひっ!?」
剣から手を離しその場に座り込む
こんなつもりじゃ...!?
『後ろから2人』
「ごめっ...」
男の傷口を凍らせる
パキパキ...ビュンッ!
同時に後ろに向けて氷の弾丸を何発も撃つ
「キャッ!?」「くっ!」
カンっカンっ
後ろからはメイドさんが2人、おぼん...?を盾に少し遠くに身を屈めている
温度差を使い加速する
あまり速くは無いが肉薄するのには十分だ
「えっ!?」
ガアァン!
メイドさんの1人をおぼんごと殴りあげ
天井に氷で貼り付ける
「このっ!」
もう1人のメイドさんからおぼんがとんでくる
『後ろにナイフ...回り込み』
おぼんで目の前がいっぱいになっているが
この空間が手に取るようにわかる
おぼんを右手で触り、後ろのナイフごと凍らせる
左手を下から振り上げると
振り上げた先にメイドさんの顎がくる
「なっ...」
がスっ...
そのままひっくり返り倒れるメイドさん
「...あっ大丈夫ですかっ」
うーんと唸っている、息はあるので...
ど、どうしよう
『締めろ、クビだ』
いやいやいやっ!?
「と、とりあえず...」
当たったところが赤くなっているので氷を作り当てる
苦しそうなので額と首元に氷を置く
...あとは
『投擲』
何かがとんでくるであろうところに合わせて
氷の棘を下から作り、阻む
ばきんっ...
『追撃』
とんできた方に走る
『前方5人、2人後方』
土の玉を撃ち落としながら走る
「なんだよっ!あいつ!」
「くらえっ!くらえっ!」
「化け物か?」
「う、うおぉっ!!」
2人がこちらに駆け出す
剣を構えているが
衝突する前に止まり、氷の風を、手のようにして
2人の首を掴む
「なっ!?」「ひぃっ!」
足が離れるように浮かして、2人をぶつけさせる
ゴンッ
ぐったりとした2人を弾除けに使う
「ひっうっうっ...」
剣を持っている男はずりずりと後ろに下がり始める
...汚いな
後ろにいた杖をもった2人も口を開けて固まっている
...
ピシピシ...
3人を凍らせる
掴んだ2人を投げ捨てると、座り込んだ男と後方だった2人の間の扉から愉快そうな声が聞こえてくる
『殺せ...耳障りだろう?』
確かにうるさいな
部屋の扉を粉々に凍らせる
サッーと砂のように崩れていく扉だったもの
氷の粒の山が出来る
ギャハギャハとオークが叫んでいる
非常に耳障りだ...
獣を粉々に凍らせる
うるさいな...「もう、喋んなよ」
獣は氷像と化した




