03話 バレながら生活してる
寮で歓迎会が始まった
立食形式なのは話しやすさを重視のことだろうか
「私...は女性陣の方へ行ってきますね」
「ああ、わかった」
自分は...まぁ
さっきエクスって言ってたかな
「こんばんは」
「おー!こんばんは、フェルさん...だっけ?」
「ああ、さんは付けなくていいよ」
「そう?いやー不安だったんだよー帝がふたりもいるじゃん?さっきまで無言で空気ピリピリでさぁ」
「あーわかるーこわかったー」
お、一人追加、確か名前は
「ライ...だっけ?」
「そうそう!もう覚えてくれたの!うれしいわー!改めてライっていーまーすよろしくー」
もう1人の男子は...
壁にもたれかかっている、周りは気にしているようだけど
あ、目が合った
...
「彼も...」
「スレットくんー?フェルは彼が気になるのー?」
目が合ったあとに何も反応を起こさないのはなんかね
スレットの方へ近づいていく
食事の手を止めてくれた、話す気はあるようで安心だ
「こんばんは、フェルって言います、よろしく」
「ああ、スレットだ、よろしく」
「...クラスが同じだった?」
遠巻きに見られていたような
「ああ、同じだ、君の特異魔法、見させてもらったよ」
「えー!フェルの特異魔法もうバレてんのー!俺にも教えてよー!」
ライも話に乗ってきた、おい、皿に飯を載せすぎじゃないか?
「えっ、フェル大丈夫か?」
エクスは心配してくれるようだ
「んーまぁ、大丈夫だ、いや、先生に乗せられたんだ、100ポイントで買われたようなもんだな」
「なっ!100ポイントも貰ってたのか!?」
「ん?ああ」
「100ポイントって5日分くらいかな...」
「え、100ポイントってたかいのか?」
そういえば相場がわかんねぇな
「えーっとー学食のお昼が20ポイントぐらい?」
「うん、そうだったはず」
ライとエクスが頷く
「あれ?食堂とかあった?」
校舎は教室だらけだったと思うんだが
「最初の授業...?ぽいの聞いてないのか?」
うっ、エクス、なかなか痛いところを...
「あっフェルは最初の方に医務室の方に行ったんだっけ」
スレットが助け舟?を出してくれる
「どこか悪いのかー?」
ライはなんとなく軽いな
「いや、そうじゃないけど、まぁ何も無かったよ」
教室しかなかったな、うん
「そうか、医務室の奥に食堂があるんだよ、まぁ先生が学園の地図を見せてくれただけなんだけど」
最初のあれはそんなこともしてたのか
「それで...」
「あっ!すいません」
エリンシアさんが声をかける
「ああ、黙るか...」
「ごめんなさい、盛り上がっているところ」
男性陣は悪い奴はいなそうかな、仲良くできそう...かな
「えーっと、1年生だけなんですけど、この寮のリーダーを決めてほしいのですけど...」
女性陣をみる、ティアはミスラとセレナと話をしている、ステラは壁にもたれて様子を見ている感じだ
「決めてなんかあるのー?」
ライは...お気楽だな
「はい、寮同士でのフラッグ戦があります、すぐじゃないですけど、その時とかでリーダー同士の顔合わせとかがありまして」
「まぁ、雷帝か水帝でいいんじゃない?」
ステラが意見を出す
周りは特に何も言わない
自分も何も無い
「そ、それでいいでしょうか」
「...セレナがやればいいわ」
「えっ、わ、わたし!?私でいいの!?」
...驚いてはいるが随分と嬉しそうなセレナ
「そ、そうねっ!私に任せてもいいわ!」
おっと、ものすごく睨んできた表情と違いすぎてセレナのなんとなくあったイメージが崩れそうだぞ
「じゃあ副リーダーはミスラさんでいいでしょうか」
「む、副リーダーまであるのか...」
ミスラが呟く、そんなめんどくさそうな顔しなくても...
「分かりました、話を中断させてすいません、ど、どうぞっ!」
「...それでー?」
なんとなくライのお気軽さに助けられた気分だ
「あーえーっと、みんなのクラスは?」
「俺は雷帝のとこだな」
「おれもおれもー」
エクスとライは雷帝、まぁミスラと同じと
「俺らは水帝のとこだな」
「ああ、ん?えっとステラは?」
「彼女も雷帝のとこだぞ」
つまりは
雷帝、ミスラとステラ、エクス、ライ
が一緒で
水帝、セレナとティア、スレットと自分
が一緒と
「魔帝の人はいないんだな」
「ああ、確かにそうだな」
「ちなみにミスラはどんな様子だった?」
「ミスラ?ああ、雷帝か、大人しかったぞ」
「えっ」
「雷帝と顔見知りなのか?」
「まぁ」
「なによ、えっ って」
おっと寒気が
「いや、ナンデモナイヨ」
後ろにミスラとティア、セレナがいた
がっ
ミスラが足を蹴ってくる
「あっつ...いや、お前が大人しいのはおかしい」
「ふっ、私だってやれば出来るのよ」
「えぇ...」
「クラスでは大人しくする予定なの、そういうわけよ、わかった?男子2人」
バチッ
少し上の方で電気が弾ける
今は抑えられている方だが周りが雷魔法の発生が容易な状態になっていた
「ひえっ...こわーい」
「あ、ああわかった」
脅迫だこれ
「...そんで」
「あっ!はーい!」
またかっ!
エリンシアさんに話を遮られる
「今日は特にもうないので自由解散でーす、私は管理人室にいますねー!食事は足りなかったら適当に声かけると寮長が補充するんでっ!じゃ!お疲れ様でーす!」
スタスタと部屋を出ていくエリンシアさん
バタンっ
「えぇ...」
「じゃあ私もこれで」
そういってステラも出ていく
「...そんでー?」
「あ、ああ」なんとなくありがとう、ライ
「いや、どうしてセレナはそんなに睨むんだ?」
「むっ、別に睨んでなんかないわ、よく見てただけよ」
...
「えっ」
「...なによ」
「あー水帝だもんねーわかるわー」
ミスラはわかったようだ
??
「...はぁ、なによ、あなたの特異魔法がバレてもいいなら言うけど」
「ああ、そういうことか、別にいいぞ、ほら」
氷をパキパキと作り出していく
「どうせ寮同士での戦いがあるらしいしな」
帝なんて、周りにバレながら生活してるようなもんだし
大体、髪の色は得意な魔法属性を反映している
まぁ、自分の特異魔法の氷はややこしいのだが
赤青緑茶、黒に金髪、黄色
黒と金髪も割とややこしい訳だが
まぁこの話はそのうちに
「むぅ、確かに寮内で協力するなら知っておく必要があるわね、それよりもっ!
はぁ...いや、この話はそのうちするわ、私はこの辺で、楽しかったわ、お疲れ様」
急に話を切り上げて立ち去ってしまうセレナ
「えっと...」
「んー!じゃあおれも部屋に戻ろうかなー、まだ整理が途中だしー」
ライも部屋に戻るようだ
「では、ここら辺でお開きって感じでしょうか、まぁ解散済みらしいですが」
ティアがそう切り出す
「そうだな、おれも戻るよ」
「俺はもうちょい食べてますかね、めっちゃ美味しいですもん」
「僕ももう少し食べようかな」
エクスとスレットはもう少し食べていくようだ
「じゃあお疲れ様」
「おつかれー」
「お兄さまは空き時間は賭け勝負をすることをおすすめします、15ポイントでその妖精を賭けて」
「そこに私情は?」
「少しだけです」
無くはないのね
「まぁそれでいいかな」
さて、物騒な学園生活が始まりそうだ
帝の2人は何を使うかバレバレですね
ティアが動き始めます