23話 熱い勝負だったぜ、がくっ
トーナメント対戦の1日目
対戦は体育館やグラウンドと広いところで行われている
先生達が審査官としているので、何となくしっかりしているイメージがある
「では、フェルさんと、コルさん出てきてください」
1つ前の対戦は魔法の撃ち合いの末押し切った方が勝ち、という感じだった
コルさん、白髪の方だが、前の対戦のようなのをイメージしていたら申し訳ないな
「開始っ!」
審査官の先生が開始の合図を出す
コルさんは詠唱を始める、詠唱魔法は自分の使えない属性を使えることから下調べをものともしないメリットがあるのだが
「ごめんっ」
サッとふところまで潜り込みメイスを構える
「えっ!?」
メイスで殴りあげる
「きゃぁ!」
宙に浮いたことで悲鳴を上げる、それにより詠唱魔法が中断される
足を掴み引っ張り下げる、浮かせすぎた、いや、この人軽いわ
「ひゃっ」
頭を打たないように支えて右手のメイスでアイスボールを構える
怪我させないようと配慮した結果顔がめっちゃ近いことになった
怪我させないようするならまずは殴りあげるなって話だが
「ごめんね?」
「うえ?あ、...はい、降参します」
状況を把握して降参をしてくれた
手早く終わってよかった、疲れはほぼゼロだ
次はロックかもしれないからな
「おい、なんだ?いまの?」
「肉弾戦ってことは、あいつ氷組なんじゃね?」
「おっかねーめっちゃ早いな」
周りがざわつき始める、何となく居づらいちょっと離れてよ...
◇
ボーッとしていたら学生証が震えた
「うお、びっくりした...」
そろそろなのかな
第2体育館へ向かう、するとロックが待っていた
「よぉー!フェルー!」
「なんで上半身来てないんだよ」
「さっき燃やされたっ!」
はっはっはっと笑っている、え?この対戦保護かかってないの?
周りを見ると制服が焦げたりしている人もいる
後で先生に聞く必要があるな
「では、フェルさん、ロックさん、前に出てください...開始っ!」
ギュンと近づいてくるロック
まずはメイスで迎え撃つ!
ガアァンっ
つば競り合いの状態になる
「いい音したな」
「俺の硬化とフェルの氷...面白い!」
つば競り合いはきついかもしれない、ジリジリと押し込まれ始める
なら
メイスに魔力を流し込む
「ぐっ、凍るっ!」
サッと離れるロック、戦闘勘が相当いい
いつの間にかそこそこの距離をとっている
「ギガントロック!」
大岩を作り出し投げつけてくる
そのまま飛んでくるかと思いきや途中で砕けて、頭位の大きさになり飛んでくる
さらに、色が黒くなる
「当たるかよ!」
当たったら絶対痛いじゃねーか!
「ブリザード!」
前方に向けて勢いよく吹雪かせる
岩は凍り、勢いを失いその場に落ちる
吹雪の範囲の上からロックが落ちてくる
「うおりゃぁぁああ!」
「うえからっ!?」
回り込むとかでいいじゃん
「凍れっ!」
氷柱を下から作り出し
ロックの行方を塞ぐ
「まけるかぁぁぁ!」
「あまいっ」
ロックが触れると同時に追加で3本、氷柱を作り出す
「そのまま凍れっ!」
宝石の中に閉じ込められたような感じになったロック
「...ふぅ」
10秒ほどしたが動き出す様子はない
「...審判?」
「あ、ああ、勝者...」
ピシッ
「まじ?」
氷にヒビがはいる
そしてそのまま砕ける
バキんっ!
ドサッとおちるロック
顔だけをこちらに向け
「フェル、熱い勝負だったぜ、がくっ」
「まさか、割られるとは思わなかったぜ」
互いに拳を握り親指を立て前に突き出す
「勝者!フェルっ!」
「おおおー」「すげー!」
周りから歓声が飛び交う
ロックに駆け寄る
「立てるか?」
「ちょっと無理」
すすすっと担架を持ってくる人が現れササッと運ばれていく
「俺も医務室のほうにいくか...」
ロックには力負けしていたのか
◇
医務室の方に行き
ロックの所に行く
「おーおつかれー」
だらんとベッドに横たわるロック
「重症なのか?」
「全身に魔力流して無理やり身体強化したからなぁ」
「そんなことできるのか」
俺もやったらできるかな
「いやー、俺は体の硬化があるから筋肉の膨張とかに耐えれるけどフェルは無理だろー」
「あー」
特異魔法【硬化】の応用なのか
「すげぇな」
「いやー、それでも勝てなかったけどな」
「そういえば上から飛んできたんだが?」
「いや、それよかなんだよあの吹雪」
互いにいつもの賭け勝負では使わない大技を繰り出した、話題は尽きない
コルさんですが作者が1年寝かせたせいでどうして名前もちか記憶が朧気です
通称氷組も話題になってきました