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氷の魔法を使う者  作者: ファイル
20/64

20話 いい傾向だ

それにしても氷組、か


最多ポイント獲得者のガルドも聞いたと言っていた

それなら氷組とは誰が言って回ってるのか


「氷組については?」

「ん?俺らのことだろ?」


「そうだけどそうじゃなくて...」


「ナイツさん達が言ってるみたいですよ」

あ、自分たちから言ってるのね


ナイツには以前多人数対一とはいえ負けたので氷魔法の使い方の準備と称して何度も戦っている

もちろん賭け勝負ではなく普通にだ

他にも教えてはいるが


「今回の対戦で氷組はどこの寮でも大活躍だったらしいぜ」


みんな頑張ったんだな


うんうん、と頷いていると


教室の扉が開く

「失礼します」


「どうぞぉー、お?ステラとライじゃないか」

「やほーフェルくーん」

ヒラヒラと手を振りながら入ってくるライ


「どうしたんだ?」

「ライが氷組に入りたいって」

「随分と噂が広まっているようですね...お兄様、少し席を外します」


タッときえるティア

うん、いつもの事だな


「別に登録とかはないんだけどな」

「そうなの?じゃあもう氷組だね、わーい、じゃあ勝負勝負ー」


「ん、そうだな」


そこから順繰りに賭け勝負が始まった

いつもの日常だ



今日は水帝クラスの授業の日だ

自分のタイプは一定期間の間に規定以上のポイントを獲得する事だからまともな授業はこれしかない


その上、先生もほとんど放任してるから授業をしているという感覚はない


「次の対戦の後は長期休暇になるんだが」

今日は真面目に話をするようだ


「対戦の後と長期休暇の前にテストをするぞ、落ちたら補講だ」


うわーとか、えーとかの声が飛び交う


「まぁ、私もなにか教えた覚えはないから簡単なやつだ、他のテストと被るやつもいるだろうし」

安堵の声が周りから聞こえる


それよりも

「先生は次の対戦の日を知ってるんですか?」

「んー?あ、やべ、この話終わりっ!」

「誤魔化したァ」

「フェル、テスト覚悟しとけよ」


「うぇぇ...」

失敗したぁぁ


「ほい、あとは水帝、任した」

そしてこの放任主義である


ただ、長期休暇の前に対戦がある、つまりは炎帝との一騎打ちがある

炎帝の噂や情報は集めだしているが、決定打を用意しなければ



「それでお兄様、これを作っているんですか?」

「ああ」

溶けない氷でひたすら火を包むことをしている

やはり氷弾で削れるといいと思い

早く作る特訓だ


前回の時、氷はすぐに溶けてしまっていた、その際の水蒸気に隠れながら殴っていたのだが効いていたのは思えない


「あ、そっか、氷剣作って持ち込めばいいのか」

「お兄様、多分怒られます、剣は」


「...杖か」


ティアがそうじゃないという顔を向けてくる


とりあえず作るか


殴るようの杖、つまりはメイスだな



夜、眠る前にティアが本を前に寝落ちしていた


そこまでして読む本なのか

一体どんな本なのだろうか


「どれどれ...」

ティアのベッドに腰掛ける


題名は...「学園の成り立ち...」


ここについての本じゃねーか


ぱらぱらとページをめくる

ふと目に止まる所があった


転移魔法でしか来れない学園


てっきり秘境かどっかだと思っていたが


どうやらこの学園は浮いているらしい

端まで行けば雲の上からの景色が見られるとのこと


広すぎるからそんなこと思わなかったし

普通に雨も降るんだが

浮いているのか


だから地上には転移魔法でしか行けないと


普段は開かれていない転移陣

転移陣を使うにも色々と準備がいるらしい

「もしもここで逃げ隠れることになったら大変だな...」


「んみゅぅ...」


ティアを起こしてしまったようだ


どうしてティアはこの本を読もうと思ったのだろうか



ティアは無闇に情報を集めようとはしない、なにかする時に関係あることを調べるのだ


「聞いてもはぐらかすけどな」

ティアの頭を撫でてやる



ティアは幸せそうな顔を浮かべていた




いつもの教室


最近は氷組同士で賭け勝負をしていることもあり空き時間ができるようになった


「それはなんですか?」

「これは氷棍、メイスだ」

「メイス」


「あ、いや、杖だわ、魔法使いだし」


空き時間ができるというか


ソエルが話に来ていて周りが気を使ってるから勝負してないだけなんだが



ソエル...勝負したいんだけどなぁ


「たしかに魔法使いは魔力制御棒を持つ人はいるけど...こんなのよ?」


ちょっとした長さの棒、ロッドを出すソエル

話をしている時の笑顔を見ていたい気もしなくもない


たぶん


「まあ、杖は...2人くらいですかね」

「あ、いるにはいるのね」


溶けない氷を作るやり方で氷棍を作っている

時間がかかるから会話でもいいんだけど


やっぱり勝負したいよなぁ



「それにしても氷組、噂以上に強いですね」

「戦ったのか?」

氷組が、ソエルと?


いいなぁ、俺もソエルと手合わせしたい


「はい、なんというか、魔法使いを否定する魔法使いっていう感じ...分かります?」


「...ああ、わかる」


肉薄しながら魔法打つからな

ほとんどの魔法が必中距離

最近はそれを躱そうとしだしたからなぁ


いい傾向だ



それからしばらくソエルと雑談をしながらメイスを作る日が数日続いた

魔法使いを否定する...

ギリギリ肉弾戦じゃないです


炎帝と戦う準備ですねー

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