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氷の魔法を使う者  作者: ファイル
19/64

19話 くっ、イケメンだこいつ

「おはよう」

部屋に戻るとティアが俺のベッドで、ソエルがティアのベッドで寝ていた


起きるまでそばにいる、まぁベッドの中間に机とライトがあるから本を読んでいたのだけれど


「お兄ちゃんおはよう」

「もうすぐ晩御飯だけどな」

「えへへ、ごめん...」


まだティアはむにゃむにゃしてる


「誰かいるの?」

ソエルの方も起き出す

「おはようソエル」


「あっ...!」

ソエルはぼーっとしていた状態からどうやら目が覚めたようだ

顔色が赤くなって青くなる


「どれくらい寝てました?」

「昼前から晩御飯前までだな」

「もう夜ごはんかぁ」

ティアはまだ寝ぼけているようだ

この状態は久しぶりに見たな


「どうしましょう...ブレンド寮の皆さんに炎帝と...あっ、傘下になったこともなんて言えば...」


「炎帝の件は多分大丈夫だ」

門の前の紙が無くなってたし


「あと副リーダーとか言うやつが尋ねてきた」

「ランドが?」

「セレナが対応していた、後日俺は1人でブレンド寮にこいって言ってたらしい」


「そんな、みんな何するつもりなの...」


去り際にめっちゃ言い放題だったからな、穏やかではないのは確かだろう


「ブレンド寮に戻るか?戻るなら送るけど」


「そ、そう?なら」

「いーえっ!私が送っていきます!」

ティアが声をはりあげる

目が覚めたようだ


「もう辺りはくらいから」

「いえ、それなら私が火魔法で」

「なら、尚更実験したいから俺が送るよ」

「むぅ...」

どうやら諦めが着いたようで



ソエルと外に出る

「フェルさん、実験って?」

「ちょっと照らしてくれないか?」

ここで照らす、というのは火魔法で灯火を付けることだ

ぽぅとソエルの手のひらで小さな火がつく

「ありがと」


手のひらの火を包むようにする

少し...いや、だいぶ熱い

「熱くないですか?」

火魔法が使える人は慣れているだろうが

使えない俺にはあまり触りたくないものだ


「大丈夫」

そう言って手をどける


「これは...!」

ソエルの手のひらにはひし形の氷の中で火が燃えていた


「溶けない氷なんだ、上手くいった」

「綺麗...それにひんやりしてる」



地帝寮の方へ歩きながら雑談を交わしていた


「それにしても、溶けないんですねそんなことできるんですか?」


「あー、週一の水帝クラスのとこで、数回前から魔法を弄りだしたんだ、それでできた偶然の産物」

「それはすごいですね、とても綺麗です、欲しいです!」

「ああ、いいよ、ただ、落とすと割れて火が消えるからね」

火魔法の火は特殊で灯に使う時は物を燃やす能力はない、熱いけど


「はい!」

返事はしたが火のついた氷を眺めていて聞いていたのだろうか...


「それにしても、魔法を弄ってるとこんなのができるんですね」

聞いていた...ぽいかな


「セレナは水を色んな形に変形させてて、コントロールの練習とか言ってたんだ、それのまね」


「そういうことは魔法の熟練度と思ってたわ...」

「熟練度?」

「コントロールとか、土弾の強度とか使えば使うほど勝手に色々できるようになるものと...」


そういう見解なのか

たしかに同じような事だが


地帝寮が見えてきた


「あ、ここら辺で大丈夫です、これ以上近づくと草木が私の部屋に知らせるので」


「...そうか、おやすみ」

なんて仕掛けをしてるんだ

ここらの草木は樹印がされている、ということだろうか


少し離れたところでソエルが振り返る


「会いに...行ってもいいですか?」

もじもじと上目遣いで聞いてくる


見とれてしまった

その仕草は反則級だ


「ああ」


「では、おやすみなさい」


にこりと笑顔を見せてから寮の方へ歩いていく


その歩きには優雅さと気品が見て取れるようだった



帰り道、なんだが、灯火入り氷をソエルにあげてしまったので真っ暗になってしまった、地帝寮に行くのも格好がつかないのでそのまま歩いているのだが


ときあめ寮の周りは鬱蒼とはしていないがそれなりに木が多いので正直迷子に近い、気の高さは高くないから昼間は何となく見えるのだが...まぁそれとなく歩いていこう



溶けない氷は準備した上でゆっくりと作り上げられるものだから咄嗟に氷弾として打つのが難しい、やはりもう少し、熟練度という感じで練習していくべきだろう


あ、あかりだ


考え事をしながらだが、寮にはついた、途中に明かりか、看板が欲しい


門の前ではティアが腕組みをしながら頬を膨らませていた


「お兄ちゃんっ!」


「わるいわるい、迷った」


「もぅ、やっぱり私も行くべきでしたっ!」


軽口で怒られながら中に入っていったが、晩御飯の後寝る前にこってり怒られました…



いつもの教室へと向かう

何となく日常が戻ってきた感じがあるなぁ


なんて思いながら向かっていたのだが、どうにも人が多い


「おはようございますっ!」

「おはよう!」

気軽に挨拶をしてくれる人もいる、なんだか有名人にでもなった気分だ


いつもの教室に近づくにつれて廊下で立っている人がおおくなる、客かな?出待ちかな?

20人くらいいたんじゃないだろうか


教室に入る


「おーすっ!」

「おはようロック」


教室にはロックと...

「おはよう」

オレンジ髪の男の人がいた


くっ、イケメンだこいつ


「こいつがフェルだぜ」

「初めましてかな、ガルドだ」

オレンジ髪は珍しいから見たら覚えてるはず


「初めまして、フェルです」

流れるように握手をしたが

なんだろう、イケメンオーラに当てられた気分だ


「君が噂の氷組のトップってわけだね」


「いや、そんな組は知らん」


氷組ってなんだよ、初耳だぞ、通称?別名?


「え、ここに通ってる人が氷組って言ってたんだけど」

「しらないです」ほんとうに


「...まぁ、その事はいいんだ、先日の対戦、とても楽しかった、君のおかげだ、ありがとう」


な、なにかしてしまっているようだ


「どうも、...ところで何がありがとうなんだ?」

「無自覚って言うのは本当だったんだね、まぁいいさ、そのうち会えると思う」


そう言ってクールに立ち去るガルド


「いや、何がだよ」

立ち去った方をみるしか出来なかった


「彼は最多ポイント獲得者です」

ティアの説明が入る


「最多ポイント獲得者?」

「はい、ポイント獲得は賭け勝負で多く手に入ります、つまりはお兄様の行動の上位にあたる人です、まぁ、お兄様のポイントはおまけだから張り合うことではないですけど」


つまりは賭け勝負を沢山してるやつってことか


「へぇ、そのうち会いに行こ、ロック何か聞いてない?」

「ん?色々聞いてるぞ」

「くわしく」

「おー」


ロックによると


普段賭け勝負をしているガルドは、いつも対戦の時は張り合いがある人がおらず退屈していた、しかし今回はフェルと賭け勝負をしていた人と戦ったらしく楽しかった


とのこと


「あー...ってな感じだ」

ちなみにロックは要点を抑えて喋るのは苦手なようだ



「鍛えてますもんね」

「鍛えてるつもりは無いけどな」


強者と戦うために強者を作り上げようとしている意味不明な行動をフェルは自覚してないようだった

氷で出来た溶けないランプ

ただフェルは火の魔法が使えないので自作できません

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