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氷の魔法を使う者  作者: ファイル
16/64

16話 私、この女が嫌いだ

氷の球の中

「もう、大丈夫」


そう言って離れる地帝


「エル...じゃあ解除するけど」

「その前に、私の名前を教えるわ」

「名前?」


「うん、私は地帝グラン=ソエル、でもみんなの前ではエルって呼んで」


それはソエルと呼んでほしいってことで


「ああ、わかった、ソエル」

「...うんっ」


氷の球を解除する

あたりは薄暗くなっている

「雪も...止ませないとな」


『フェルっ地帝をときあめ寮に連れてきてよ』


「ん?なんでだ」

「聞こえてるわ、行きます」


説得フェイズはカットか

「そう言えばこの会話って水紋か?」

『フェル...今更ね、そうよ、樹印で盗まれる会話を水紋で私を経由しているの、だからティアは何も知らないわ』


途中会話してたような気がするけど

水紋は常時じゃないのか

プライバシーぼろぼろだな


「...解除」

何となく手首の樹印と水紋に話しかけていたんだが...

そしたらソエルが樹印を解除した


「ん、なんで今」

「あなたとの会話を聞かれたくないもの」

なんか密談でもするのか?


校舎からときあめ寮まで2人で雑談しながら帰った

特に重要そうな話はしていないけど

なんだ?


ときあめ寮に帰る

大規模対戦、終わったのかぁって感じ


「ただいま、ティア」

腕組みして寮の扉の前で待っているティア

頬をふくらませているので怒っているらしい


「...おかえりなさい」

「セレナからはどこまで?」

「地帝と一緒にいた、とだけしか」


まぁ今もいるんですけど


「なんで一緒に帰ってきてるんですか」

「セレナに連れてこいって」

「私その人嫌いなんですけど」

「うぐっ...」

ズバッと言うティア、容赦ねぇ


ほら、ソエルも傷ついてるでしょっ立ち直ったばっかなんだから優しくしてあげなさいっ


言わんけど


「その...ティアさん」

「ティアで結構です」

怖い怖い

「ごめんね...」

しゅんとしながら謝るソエル

「はぁ、別に気にしてないです」

「...ありがとう、解除」

ティアの手首から緑の煙が出ていく

樹印を解除したのだろう


「...寮長に、今日のご飯は一人分追加と頼んであります」

そう言いながら扉を開ける


ん、お疲れ様会的なのないのかな

「お兄さま、結果は明日の朝発表です」

...そう


ソエルは全体的にしゅんとした雰囲気は出していながらも気高いオーラは纏っていた


もうこれわかんねぇな


夜ご飯のあと、ミスラ、セレナ、俺、ティア、ソエルが残る


「とりあえず、今日はお疲れ様、疲れてるから早めに終わりたいわ」

セレナが話し始める


「私はもぉ眠い」ミスラはもうダメみたいですね


「明日、結果が出るわ、その時に地帝寮がときあめ寮の下に着いたことが分かる」


「炎帝がどう出るでしょうか...」


ああ、そういうことか

「大丈夫、俺が何とかするよ」


「お兄さま...」

「何とかなるの?」

「ふぇる、たのんだぁ」

あ、ミスラはダメだこれ


「大規模対戦で楽させるって言っただろ?これはその延長戦だ」


「ふーん、じゃ、頼んだわ」

「えっでも...」

「...分かりました、エルさん、こちらに」

「えっえっ」

あわあわするソエル


部屋にもどる

ソエルを含めた3人で


「お兄さまどうするつもりで?」


「なに、問題を先延ばしにするだけさ、2人はちょっと待ってて」


「はぁ」


紙にさらさらと書き上げて部屋から出ていく


「これでよし」

紙を寮の入口に貼り付けて終わり、あとは勝手に終わるだろう


部屋に戻る

「ただいま」

「おかえりなさい」

「おかえり」


「お兄さま、今日はおつかれでしょう?」

「...そうだな、早く寝るか」

「はい」


目が笑ってないティア

怖すぎる


さっさとベッドに潜り込む


「おやすみなさい、お兄さま」


「ああ、おやすみ」


ソエル...強く生きろよ...



「さて」

エルさんを見る


さっきから私のベッドにストンと座りじっと見ている


以前のステラさんの場合だとビクビクしながら正座をしていたけど


今日のは強敵かもしれない


「なんですか?妹さん」


やっぱり、私、この女が嫌いだ



朝、号外として大規模対戦の結果が出た


「ご苦労」


「はい、炎帝様」


朝食を取り終わり

椅子に座る炎帝に

方膝立ちの姿勢をとり頭を下げる

結果を持ってきた女性


帝の領主という立場は学園では気にしないというのが暗黙の了解だが

炎帝はこの風習を学園にも導入させようとしていた


「おい、なんだ?これは」

「...対戦の結果ですが」


「違う、そうじゃない」

「ブレンド寮はときあめ寮の傘下に下ったようです、なので旗の奪取点は0です」

「ポイント1位おめでとうございます!」

炎帝は周りに数人の女性をいつも侍らせている、その中の1人が炎帝を褒める


「...少し用が出来た」

「炎帝様、先程ときあめ寮を見てきました、そしたらこれが」

結果を持ってきたポニーテールの女性が紙を渡す


「これは?」

炎帝は紙を受け取りながら座り直す


「ときあめ寮の門の前に貼ってありました、名指しでしたので持ってきました」



「...次の対戦の時に一騎打ちをしろだと?」


フェルが用意した物、それは

「果たし状か...いいだろう、ただ、次の言葉を伝えるよう準備しろ」


「はいっ」


炎帝はこの一騎打ちに乗るようだ

最後の方にティア視点

三人称視点での炎帝周り

となっています


赤髪ポニテ先輩と炎帝の会話

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