14話 あー...正直すまんかった
水の流れに任せて下まで降りる
前方に必死に登ろうとしている奴らを見かける
疲労もあるのか下を向いているためこちらに気がついて無さそうだ
腕を構える、勢いはあるのでそのまま
胸あたりの少し上を当てていく
「うぐぁっ」
登ろうとしていたのが体制を崩し倒れそのまま転送される
1階玄関の水が吐きでる所は多くの生徒がいた
「氷剣...」
振り回し当たった人が飛ばされながら後ろにも当たっていく
「うわぁ!」
多くの人がいる中、逃げ場はない
1振りで5人以上を転送させていく
たまに火や水魔法等が飛んでくるがまとめて切り伏せる
...これは無双!!
すごく楽しい
疲労で疲れていて弱っていても今は倒していいのだ、むしろ転送されたらダメージ量はリセットされるはず
「おらぁっ!」
ものすごく楽しい!
攻められることに慣れていないのか
録な受身も取れずに転送されていく
男女関係なくまとめて屠られていく
もっともっと!
ばきんっ
「えっ」
氷剣が握りつぶされた
「調子乗んな」
ぶんっと音がしながら殴られる
「うぐっ!?」
氷の欠片で姿を見れなかった
腹部に痛みが生じる
ダメージ量が一撃で規定値2つ分を超える
そのまま転送される
目を覚ました
「がはっ!はーはー...」
息ができる、正直死んだかと思った
それくらいの一撃だった
「お兄さま!」
「ティア...大丈夫だ」
周りが自分を見ている
目を覚ました、だと?
「...転送されてどれくらいたってる?」
「1分程度ですけど...」
1分、ほんの少しの間だ
しかし、転送された時、ダメージはリセットされるはずだ、なのに1分目を覚まさなかった
これがどれくらい異常なことなのか
「炎帝、止まらないわっ!」
ステラの声が聞こえる
炎帝、あの火力は異常だ
その炎帝が登ってきているという
「セレナ!」
登ってきている、つまり
押し流せれていない
「やってるわっ!でも水が蒸発するのっ!効かない!」
「そんな」
なんだよ、それ
化け物かよ
「来るわっ!きゃっ」
ステラの悲鳴が聞こえる
階段の壁に押し付けられている
フラッグ周りに敵がいて安全じゃないと判断されると転送されない
ステラがいま、その状態になっている
「お、調子に乗ってるやつじゃないか」
全身から火を出しながら
歩いてくる
「こいつが、炎帝...」
「お前の噂はこっちまで届いてるぜ」
...噂になるようなこと、とは
「お前のことは聞いたことがないけどな」
無いわけないだろう
煽りだ
「あぁ?てめぇ...」
「お兄さまっ!」
...ティアが怒りに来た
「へぇ、かわいい妹じゃねえか、俺がかったらそいつを貰ってやるよ」
...?
なんだこいつ頭の中お花畑かよ
...あ
「かわいい妹だろ」
ティアの肩に手を置いて胸の方に引き寄せながら言う
「お前には高嶺の花だがな」
「ちょっ、お兄さま!?」
ぶちっ
そんな音が聞こえた気がした
「ぶっ潰してやるよ...」
...マジギレですね
ああ、楽しい
「フェル!?何言い出してんのよ!」
セレナから怒声がとぶ
後ろは屋上扉
踊り場は少し広い
下からは炎帝が来ている
氷は溶かされて階段を上って来ている
余り役には立たないかもしれないが
全身に氷の鎧を作っていく
さて、勝てる見込みはないが
つい煽ってしまった
ジュオっ
顔の横を熱線が掠める
「...」
驚いて体が固まる
「なんだ?口だけか?」
距離を詰められていた
腹を殴られる
吹き飛ばされ扉に背中をぶつける
「がはっ」
意識がキレかけた
まだ、大丈夫
一撃が重すぎる、よけなくては
「...なっ!」
また距離を詰められる
「消えろっ!」
炎帝の拳が先程の熱線と似たような色をし始める
まずいまずいって
咄嗟にしゃがみこむ
ジュゥウ...
炎帝のパンチは屋上扉を吹き飛ばして、周りの壁も抉りとっていた
氷晶...かけた扉だったよね?
「避けたか...」
目が怖いわ...
「アイスエッジ」
体を削り取ったり出来ないだろうか
ジュゥウ...
氷の塊は炎帝に当たった所から溶けていく
出来ないか...
「おらぁああ!」
叩きつけ
動きが単調で避けやすくはある
ただ、暑苦しいのと、拳が眩しい
自分がヒットアンドアウェイを数回繰り返したとき
なぎ払われる
「ぐっ...」
屋上の方に転がる
「はぁ...はぁ...」
強い、特に氷が溶けるのがなんとも
溶けない氷、無くはないが溜めが必要で塊を打ち出す程度しか出来ないので威力に期待できない
そして、溶けない保証がない
なんだこいつ無敵か?
「氷使い!」
横に栗色の髪をした美人さんがいる
泣きそうな顔で体育座りで
「...えーと、地帝さん、どーも」
反対側の扉までとばされたのか...
あとパンツ見えてますよ
「うぅ、あなたのせいで...」
「おや、そこにいるのはエルじゃないか」
「ひぅっ」
ギギギ...とした動きで地帝が炎帝を見る
「ひ、久しぶりね、炎帝」
「ん?違うだろ?」
炎帝の手が淡く光る、印?
「あつっ...あっ」
地帝が声を上げ涙目になる
悔しそうに唸りこちらをチラチラ見てくる
「久しぶり、グロウ」
「そうだ、それでいい」
ニヤニヤとゲスい顔をする炎帝、グロウさん
炎帝の印は命令系だっけ?
...今は氷で傷を止血しよう
「うぐっ...ひっく...」
...!?
地帝が泣き出したんだが
「何してやろうかねぇ」
炎帝は独り言をしだした
炎帝に情報も無しに無策で挑むのは無謀すぎたわけだ
なら今は戦う理由を無くさせよう
小声で地帝に話しかける
「おいっ...おいっ地帝!」
「もう無理、恥を晒すくらいなら死ぬ...」
「おーいっ!」
死なれると困るんだが!?
「何よ氷使い...あなたさえいなければ恥を晒すことも、炎帝にやられることも無かったのに...」
「負けたら炎帝に辱められるのか?」
「辱めはあなたのせいよ...」
地帝の視線が足元にいく
座ってるから俺の横を見てる訳だが
...あー
長いこと屋上に監禁してて
集団だからやりずらく
トップの立場もあったのだろう
そんで我慢してたら
さっきの刺激と
「あー...正直すまんかった」
地帝は 決壊、漏らしてしまっていた
ウォータースライドラリアット
絶対痛い(確信)
炎帝の登場ですが常に陽炎が立ち上り燃えてるので直視出来ません
決壊...