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氷の魔法を使う者  作者: ファイル
12/64

12話 この帝、ノリノリである

「ごめんなさい、お兄ちゃん」

地帝寮から離れた林でティアが謝ってきた


...頼りすぎていた


ティアは優秀だ、自分はそれに甘えていた、独断で調査してくれていたのだろう、だが結果としてはティアの特異魔法までバレてしまっている


自分がもっとしっかりしなくちゃな


俯いたティアの頭を撫でる

顔を上げさせ、口を開く


...


単語なら、

ティアなら口の動きで伝わるかな


「うん...わかった」


なら、頼るのはここまでだ、せめてフラッグ戦、あのムカつく女に仕返ししてやろう



大規模対戦について正式に発表された

地帝の予想どうりフラッグ戦だ

ルールは生徒のトップの5人が決めるらしい

トップの基準は前回の順位付けの物事だから2年生以上なわけだが


報酬は多くのポイントとサービス

また、順位付けの時に優位性が出るらしい


炎帝は2つに分けての参加で炎帝同士で潰し合うのもありとのこと


これ実質炎帝の強い方は旗を奪った状態からスタートってわけじゃないか?


トップに炎帝がいるなこれ



夜ご飯中

「リーダー」

「んぐっ、なによフェル、急にリーダー呼びでびっくりしたわ」

「提案だ、次のフラッグ戦、指揮を作戦を任せてほしい」


「...勝てるの?」

「勝つんだ」


「ふーん...」

しらーっとした目線を送ってくるセレナ


すると

「まぁ賭け勝負の回数的には数を1番こなしてるからルールの穴とか知ってるかもしれませんよ」

とステラが乗ってくれた


いや、嫌味かもしれないが


「まぁ別に構わないわ、ただ...いや、なんでもない」

「いや、なんだよ」

「うーん、後で言うわ」


なんだ?

そのままいつもどうりの食事が終わり部屋に戻る


あれからティアは全体的に暗い

気にすることはないとは言っているが

「どうかしましたか?」

「いや、なんでもない」


コンコンっ


扉がノックされる

「はい」


「セレナよ、はいるわ」


「さっきの話か?」

「...聖水の加護」


セレナが水魔法を唱えるが聞いたことのない魔法だ

足元から水が上まで延びて、水の球体の中に入った状態だ、膜のようなもので空気はあるから息はできるが


「なんだこれ」

「それは加護よ、呪いに対抗出来る効果があるわ」

「...呪い!」

「2人から呪いの雰囲気がしてるの、しばらく前から、なにか心当たりは?」


気がつけるあんたはリーダーに向いてるよ...


「地帝の...」

しゃべ...れる?樹印についてを

「地帝から樹印をされた」

「...あぁ、加護中は呪いが解除されてるのと同じ状態よ、で?樹印って?」


地帝寮であったことをセレナに話す

「ふーん、あんたらも呪いを拾ってくるのね、聖水は今在庫切れよ」

「あんたら?」

「ステラも炎帝から焼印貰ってきてたの」


「えっ、そんなの知らないです」

「うーん、印の話を少ししましょうか」


セレナによると

印と呼ばれる帝が使う呪いは以前まで奴隷に使う魔法だったらしい、今は奴隷関係は全て禁止されているが


その魔法の改良型だろうとのこと

詳しく見てもらうと


樹印は情報を盗むことに特化されてるらしい、焼印は命令重視、と以前のものとだいぶ違うらしいが



それって特異魔法じゃないか?


帝ぐらいの強さがあれば誰でも使えるから、秘匿してる帝は悪くない、という考え方らしい、えぇ...



印は普段は見えないが、セレナは聖職者系の知識があるから分かるらしい


すごい



「そんで?指揮に名乗り出たのは私たちをハメ落とすつもり?」

ティアもハラハラした表情だ

地帝近くに陣どれという話はもうセレナにしてある


「いや、エルだったかな、あいつに痛い目見せてやる」

「そう、ならいいわ」

「ん、作戦は聞かないのか?」



「長いこと呪いが解除されてると怪しまれるし、魔力も馬鹿にならないから、私はあなたを信じてるわ」


「...ありがとう」


この作戦、絶対に成功させる


「じゃあ、いいものを2人に上げるわ」

ニヤリと悪い顔をするセレナ


「え?」


セレナが俺らの腕を掴む


「水紋」

魔法を唱えると樹印を囲むようにいくつもの丸が浮かび上がる


嫌な予感と変な汗がでてくる


「なぁ、これって」


「水帝の印よっ」

「うわぁ」

「やっぱり...」

めっちゃ笑顔で答えるセレナにドン引きである


「そこそこ自由に話していいわ、向こうに掴ませる情報を操作してやるわ、こういうのやってみたかったのよね!」


「うわぁ...」

「心配...」


「そんでフェルにも印のやり方を教えてあげる、1人1個、効果も属性ごとに違うから何ができるか楽しみなのよねっ!」


この帝、ノリノリである



「ちなみに水紋ってどんな効果なんだ?」

「改ざんよ、複雑な印魔法でも全部見通せるから弄り放題なの」


じゃっ!明日からっ!とテンション高く部屋を出ていくセレナ


「あのテンションのセレナさんは苦手です」

「俺もかな...」



次の日から大規模対戦までセレナの印魔法レッスンがはじまった


ある3人組


「最近フェルさん賭け勝負しないっすよねー」

「あと数日で大規模対戦だからってのもあるけどな」

「俺、特攻隊なんだよなぁ、でも旗までは行くなって言われててよ」

「へぇ」

「あ、俺も迎撃組で旗は拝めそうにないぜ」

「俺は自由だけど、旗まではいいかなぁやられてペナルティ貰いたくないし」

「じゃあ合計ダメージ量で勝負しようぜ」

「お、いいね」


多くの人が参加する大規模対戦はダメージを与えた量とノックアウト数、集団防衛時間などと色々なカウントがされ、それを数値化した合計で競う



「うーんっと、さて、いい天気だ」

窓から差し込む光


「おはようございます」


「おはよう、ティア」


今日は大規模対戦の日


気分も高まるっていうもんだ


「作戦はフラッグの場所で説明するが、奪取班と防衛班は心の準備だけしておいてくれ、大丈夫、圧倒的に楽させて勝たせてやる」


「自信たっぷりね」

「期待してるわ」

「分かりました」

セレナ、ミスラ、ティア

の防衛班


「楽しみだな」

「わーい」

「...緊張してきた」

スレット、ライ、エクス

の奪取班


ステラと自分は足りない方に参加

で回す


フラッグの場所、陣取る場所は自分ながらには調べてきた


炎帝は体育館と噂だが第2体育館


地帝は屋上


魔帝はグラウンド中央



俺たちの場所はどこにも漏れていないはずだ、口にも出てないからな


「ねえ、屋上は地帝がいるんじゃないの?」


「ああ、だからここだ」


「ここって、ここ?」

セレナの疑問も最もだろう




「そうだ、屋上扉の前の階段、ここが俺たちの陣地だ」


やろうぜ、大規模対戦

屋上の扉

の前の少し広い空間に設置です


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