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指風鈴連続殺人事件 ~恋するカナリアと血獄の日記帳~  作者: 須崎正太郎
山本キキラ《やまもとききら》の日記
62/131

2001年8月23日(木)

 考えたら


 うちは若菜っちのおそうしきにも出なかった


 あれだけなかよかったのに あれだけいっしょだったのに


 パニックになってこわくって いけなかった


 ごめん、若菜っち




 若菜っちの家にいって、お父さんとお母さんに会った。


 ふたりとも、すごくやせてた


 でも、すごくいいお父さんたちだった


 うちの親もこんなひとたちならいいのに、って思った




 それから若菜っちの部屋に通してもらって


 若菜っちのにおいをひさしぶりにかいだ




 泣いた




 もう会えないんだ


 一生、もう、会えないんだ


 体育のとき、貧血起こしたのをうちとみなもっちが助けたんだ


 保健室まで送っていったんだ それがはじまりだったんだ


 女の子だけであちこちいったね


 天神でクレープも食べたし


 プリクラもとった


 ハンバーガーも食べたし


 マンガを貸してくれたこともあった


 天ヶ瀬と長谷川もいっしょにいて


 カラオケとか海にもいったね




 わかんない


 なんでこんなことになったのか


 うちは若菜っちの家を出てから 長谷川の家にも行こうと思ったけど


 考えたらうちはあいつの家を知らんかった




 友達なのに


 知らないこと多いね


 だから友達でいられたんかもしれんけど




 もう


 あのころには戻れん、ね




 ひどすぎる




 なんなんこの現実……








 あと


 若菜っちの部屋で日記を見つけた


 中身、よみたかった いけないかもしれないけど みたかった


 迷ったけど、むこうのお母さんから「少しの間なら、借りていってもいい」って言われたから借りた




 中をよんで





 また泣いた


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