表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
指風鈴連続殺人事件 ~恋するカナリアと血獄の日記帳~  作者: 須崎正太郎
御堂若菜《みどうわかな》の日記
27/131

2001年7月10日(火)

 みんなでカラオケに行った!


 あ、みんなっていうのはいつものメンバーです!

 佑ちゃんとみなもちゃんとキキラちゃん、それにハセガワくんと、このわたし!


 佑ちゃんとは幼稚園のころからいっしょだけど、みなもちゃんたちとは高校に入ってから友達になった。

 わたしが体育のときに貧血を起こしたとき、みなもちゃんとキキラちゃんが助けてくれて、そこから仲良くなったのです!

 ハセガワくんは、まず佑ちゃんと友達になって、そこからわたしたち女子3人のグループと自然に合流したみたいになって……こうしていつもの5人が誕生したのでありますっ。


 高校に入ってすぐに友達ができたのは、本当にほっとしてる。

 キキラちゃんはおしゃれ。みなもちゃんは頭イイ。ハセガワくんは、ちょっとエッチなのが残念だけど、でも明るくていいひと……。


 そういえば、前にハセガワくんから、


「御堂よお、オレのことをエッチエッチっていうけれど、天ヶ瀬だってそうとうスケベだからな? 男はみんなスケベなんだ!」


 そういうふうに力説されたことがあるけれど……。佑ちゃんは君ほどじゃないよ~。

 でも中2のときに、ベッドの下でエッチなマンガの本を見つけたときはショックでしたけど。見てはいけないものを見てしまったと思って、お母さんに相談したわたしでした。お母さんには「あんた、そんなことを親に相談しなさんな」って呆れ顔になられたけど。だってだって~~~……。


 また佑ちゃんの話になっちゃった。

 だめだよね。今日はカラオケの話!


 キキラちゃんは本当にカラオケがうまくて、はやってる曲を本物の歌手みたいに歌える。

 みなもちゃんも、歌はすごくうまい。ときどき全然知らない外国の曲とか歌ったりできて、それもすごいんだよね。

 ハセガワくんは盛り上げ上手で、いつもタンバリンとか叩いてる。佑ちゃんは3人に比べるとごく普通、かな? でも歌ってるときの横顔はカッコいいよ!


 そしてわたしは……ううう……。

 わたしは音楽に全然詳しくないので、子供のころにやってたアニメのオープニングとかしか歌えないんだよね~。だから佑ちゃんからいっつも、「たまには普通の邦楽を歌えよ」なんて言われちゃう。


「もう俺ら、高1よ? J-POP歌おうぜ。へーへーへーとか歌番組見てる? マジ熱いから見ろって」


 佑ちゃんからの厳しいだめだし。テレビ見ろって言われちゃった。

 へーへーへーって、確か月曜日にやってる番組だよね? あの時間帯ならわたし時代劇のほうが好きなんだけど。これおじいちゃんの影響。


 でも歌番組を見ないと、次からはカラオケに誘わないぞって佑ちゃんに言われちゃった。かなしい。すぐに冗談だって笑ってくれたけど……。でもでも、でもでもなー。


 やっぱり高校生になったんだし、もう少し音楽詳しくならないとだめかなあ。

 そうしないと、佑ちゃんが離れちゃうかも。わたしはキキラちゃんみたいにオシャレじゃないし、みなもちゃんみたいに頭が良かったりスタイルがよくもない。いつまでも子供みたいだって自分でも思っちゃう。背も低いし。足も短いし。メイクもしたことないし。


 頑張って大人にならないと、だめなんだろうなって思う。

 高校を卒業するころには、大人っぽくなってるかなあ。

 ミニスカートとか履いて、お化粧して、佑ちゃんと腕を組んだりするわたし……。


 そ、想像つきません……。


 とにかく、月曜日の歌番組をビデオで録画するところから始めてみよう。

 リアルタイムは時代劇のままだけどね。これは譲れないよ~~。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ