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世渡り下手な最強の侍は異世界で気ままに生きる?  作者: ミイルキイ
第2章 オーグの王
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集落

集落でも大きな家屋の中で、立派な椅子に腰掛けた大男が不機嫌そうに身体を揺すっていた。男の頭には鹿のように枝分かれした大きな角があり、肌の色は赤黒く、身体も通常の鬼よりふた回りは大きかった。


この集落の長であるリードバックは、この日もいつも通りに不機嫌だった。せっかく前の長を倒し、新しい長になったにも関わらず、自分が周りから尊敬されていないと感じていたからだ。


それは、リードバックの粗暴かつ強欲な性格が原因だったが、自己中心的な考えしか出来ない彼には自分に問題があるなど考えもしないのだろう。そのため、リードバックは全ての原因が自分以外にあると考えた。


あの親子の所為だ…あの親子が俺の思い通りにならないからだ。本来ならあの小娘もあの生意気な青肌の女も長となった自分のモノになるべきなのだ。


娘を引き渡せばハグレの生活を許してやるという譲歩までしてやったのに、それすら拒否された。これはもう容認できない。


あの親子の家を焼き払い、あの小娘を自分のモノにし、あの生意気な女は手足の一本でも斬り落として、側近たちの慰みモノにでもすれば、溜飲も下がるだろう。


とはいえ、同族同士なら長といえども一対一で決着をつけなければならない。強さこそが鬼族の全てなのだ。あの女と戦えば負けないかもしれないが…無傷ではすまない。


そうなれば反感を持つ同族に寝首をかかれるかもしれない。前長に毒を飲ませ弱らせ、殺した自分のように…そもそもあのハグレを同族として扱う必要があるのだろうか?


そうだ!信頼できる側近と一緒に襲えばいい。そうすれば致命的な傷を負うことなく、安全に倒すことができる。同族でない者にまで伝統を守るなんて馬鹿らしい。他の兵には娘を確保させれば、小娘一人だ問題ないだろう。


決闘を持ちかけ、あの女には側近と5人で対処する。残りの20名の兵には小娘や家屋を抑えさせる。そう考えれば簡単なことだ。


なぜ、今までの長はこんな簡単なことを出来なかったのか?やはり無能ばかりだったのだ。自分が間違いを正すのだ。そうと決まれば時間が惜しい。


側近を集めて準備させるとしよう。集落の中にはこのやり方に納得しない者もいるかもしれないが、全てが終わった後に自分に都合の良いように情報を流せばいい。


リードバックはそう考え、側仕えの一人に4人の側近を呼ぶように申し付け、卑しく嗤った。

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