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世渡り下手な最強の侍は異世界で気ままに生きる?  作者: ミイルキイ
第2章 オーグの王
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クレハ視点

居なくなっていたこの娘がやっと帰ってきた。ヤーノスケというハグレの子供を連れてきたが、無事で何よりだ。早速、風呂に入れ、濡れた髪を乾かして、梳かしてやる。


もし、この娘に何かあったら姉さん達に顔向けできないところだ。本当に良かった。この娘を無事に連れてきたあの子供…ヤーノスケには感謝しなければいけないな。


しかし、あの身のこなしは只者じゃないな…子供だと思って手加減したけど、気配を絶って先に攻撃したのに、相打ちにされた。


確かに私は殺すつもりはなく、脅しのつもりだったが、後半はかなり本気で打ち込んだのに難なく避けていた。


最後の攻撃も余裕を持って首に鉈を添えたつもりだったが、ほぼ同じタイミングで首を刈り取りにきた。もし、私が刃を止めていなかったら、2人とも死んでいたかもしれない。


まぁ、腕力と身体の大きさで言えば私に分があったので、致命傷にならなかったかもしれないが…それでも重傷には違いなかっただろう。


角も生え切らない子供にも関わらず、古強者と戦っているように感じた。実際、技術や技のキレでは私を上回っていた。奇襲ではなく正面から戦っていれば危なかったかもしれない。


ただ体格差を考えてその考えを否定する。まぁ、長の側近よりは強そうかな?


『正確なところは本気でやってみないと分からないな…』


「ん?どーしたの?」


『いいや何でもない…君はヤーノスケに懐いてるね。好きなのかい?』


「うん!ヤーノスケ優しい!それに牛よりも強い」


『そうか…』


牛よりも?牛…ミノタウルスは年老いた個体なら鬼が50人弱いればなんとか狩れるが、若い雄の個体なら集落総出でも敵わないだろう。それより強い?


まぁ、衰弱して弱った個体でも倒したのだろう。ん?それにしても有望株には違いないな。


この娘の婿探しもしなければならないが、長なんて乱暴者にやる訳にはいかない。丁度いい!のでは?あの子供なら…


ヤーノスケは角も生えていない子供だが、この娘は懐いている。ヤーノスケの方はこの娘を妹か幼い子供のように扱うっているので望みは薄いか?


ただ、今は興味がなくても一緒に育てれば…この娘は姉に似て美しくなる。そうなればこの娘に惹かれるはずだ。


それに集落との関係が悪化している現在、ヤーノスケの戦力は貴重だ。長の性格を考えれば、私との対決は避けると思うが、周りの評価を気にして暴発する危険もある。


暴発した場合は長と私が戦うとして、決着がつくまでこの娘を守ってもらわなければならない。そのためにも、ここに留まって貰う必要がある。


どうやら温泉も気に入ったようだし、この娘のことを気にかけているようだったのでそれほど難しいことではないと思うが…


まぁ、思いっきり可愛がってやれば懐くだろう。

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