久しぶりに図書館へ行ってみたら
久しぶりに図書館へ行った。町の中心街にあるこの図書館は、本の量も豊富で、多様なジャンルが揃えられている。
びっくりしたのは、入口を入ってすぐのところ、入ってきた人に一番目立つ位置に置いてあったものが……。
なんと、異世界系の、なろうで人気のある本がたくさん!
ほかの文学作品や、芥川賞、直木賞を取るような作家を差し置いて、なろうでおなじみの数ある異世界系小説、輝かしいタイトルがずらりと並ぶその姿は「スゲー」とつぶやく他はない。
本屋でもこんな扱いは珍しい。だいたい、売れ筋のランキングに載った本や有名作家の新刊が一番目につくようになっていて、ファンタジー系の小説は目立たないところに置いてあるのがふつうだからだ。
私がこの図書館を訪れたのは、学生さんが利用しやすい夏休みが過ぎてすぐのことだったから、休みに本を読みに来るティーンズを意識した本の置き方になっていたのかもしれない。
ちょっと進むと、ファンタジア文庫や電撃文庫も置いてある。あの人気作「はたらく魔王さま!」まで置いてある!
この作品が電撃文庫から世に出たのは2011年のことだ。それから5年で図書館で見られるようになるとは想像もつかなかった。
第一、固いイメージの図書館で、こんなにもたくさんのラノベが置いてあるなんて思いもよらない。
私がこの図書館に来た目的は、池波正太郎や吉川英治などの歴史小説を読むことや、芥川龍之介全集などの明治、大正、昭和のころの作家の作品を探すことだったのだけれど、これは思わぬうれしいハプニングだ。
目立つところに、異世界系の小説が置いてあるこのうちに、どんどん読むことにしよう。図書館の建物は広いので、この入口すぐの位置から移動してしまうと、また探すのが大変になるだろうから。
さあ、ひと足早い、読書の秋の始まりだ。