第二の敵。【ゴルドvsソラ】
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ゴルドが、刀でソラを斬りつける。
心臓、脳、肺、肝臓。
貫かれれば、確実に致命傷になる箇所を狙い斬りつけていく。
素人には、ただ刀を振り回している様に見えるだろう。
攻撃しては、防御され、防御しては、攻撃し、
決まりきった動きをしている様に見てるだろう。
しかし、それは、相手の攻撃を極めて短い時間で見極め、対処しているなら成せる光景。
剣道の試合を見たことがあるだろうか?
達人同士の勝負は瞬きの間に決まってしまう。
しかし、それが有効なのか、無効なのか、審判にもわからないときがある。
わかるのは達人の二人だけ。
見ているものは勝負の行方はわからない。 気づけない。
まさに、ソラとゴルドの戦いはその状態。
ベクトルを使い、刀の振りが、ピストルの速さである。
時おり、お互い距離をとり、プラズマ砲で攻撃するが、それこそ、お互い刀でなぎはらってしまう。
「てめぇ、化けもんか!!!」
「おじさんこそっ、強いね!」
お互いが、この近接戦はこれ以上は無駄だと感じとる。
ゴルドがソラの刀をよけ、バク転をしながら後ろに退がる。
ソラはそれを見て、後方に飛び、退がる。
「おじさんがこんなに強いとは……」
「んあ? なめてんじゃねーぞ? まだまだ現役だよ」
ゴルドとソラはあれだけの攻防を繰り返していたのに、まったく平気の様子だ。
「ソラぁ! てめぇ、β値いくつだぁ?」
「120だよ!」
「あ~、なかなか勝負がつかねぇわけだな! 俺のβ値は125。 ったく、どうしたもんか」
やれやれといった感じでゴルドは刀を投げ捨てる。
「???」
その行動に理解できないソラはきょとんとする。
「俺は、体術の方が得意なんだよ! 刀使うと、スカスカしてるみてーで、気持ち悪りーんだよ」
ゴルドは両手を胸の前に出す。
「んじゃ、いくぞ!!!」
風の速さで間合いを詰めてきたゴルド。
ソラは刀で対応するが、ソラの攻撃は空を斬る。
━やりずらっ!
確かにその通り。
客観的に見れば、武器を持っている方が、有利と感じるのは自然なこと。
しかし、死を恐れない、自分の実力を知っているからこそ出来る荒業。
これはソラを苦しめる。
間合いを詰めてしまえば、ソラの刀は当たらなく、ゴルドの拳は当たる。
次第に、間合いを詰められ、分が悪くなることを悟ると、ソラは決断した。
「よっ!!!」
ソラは後ろに逃げる。
「はははっ……ゴルドさん。 俺、これ以上やると負けるのはわかった。 だから、全力でいくよっ!」
ソラは二本の刀を納める。
そして、腰のところにあるスイッチを押す。
パタパタとベクトルが折り畳まれ、ただのベルトのような形になる。
「??? 言ってることと、やってることが矛盾してんぞ? それに、ここはモニタリングされている。 お前が奥の手を出したら、次の階のやつらに対処法を与えるようなもんだぞ?」
ソラは、腰のベルト状になったベクトルを捨てる。
しかし、そのベクトルの陰にもうひとつベクトルがあった。
「これは対処しようとしても、すぐに対処できるわけないんだよねっ。」
そうして、腰のスイッチを押す。
パネルのような鋼鉄の板がソラの体をおおっていく。
「さっき着けていたのは、第三世代ベクトル。 その性能は素晴らしいんだ。 自動バランス処理。 過度の力を受けると吸収してバランスを保つシステム。」
この自動バランス処理システム。
これが搭載されたことにより、バランスを崩して相手に隙を与えてしまうという事態が起こることはなくなった。
「それは一般の兵にはとても大事な機能だと思うよ。」
ソラの体を赤いベクトルが包む。
「でもね、それは、大きすぎる力を受けると、削りとってしまうことを意味するんだ。 だから、この初代のベクトルを用いることで、力を吸収されることなく……
100%の力が出せる!」
ソラは二本の刀を取り出す。
「刀が、…… 赤く……」
「俺はこのベクトルであることが出来るようになったんだ!」
「あぁ? なんだそりゃっ!」
「まぁ、 無理矢理、って感じなんですけどね。」
ソラは刀を掴んだ左手を胸の前に伸ばす。
それを見て、ゴルドは警戒した。
自分の最高の神経を使ったつもりだった。
だが、確かにゴルドはソラの声を耳にした。
「瞬間移動だねっ。」
自分の背後から。
テレビ見てたら、お腹が痛くなった。
すごい痛かったから病院行ってレントゲンとった。
肋骨折れてた。




