始まり
魔法族との大戦から数日が過ぎたとき、首都からある通達が来た。
「なんで俺らはいけないんだよ~」
ソラは駄々をこねた子供のように言う。
「まぁ、いざというときのために俺らがここを守っとかないと、ね?」
そのある通達とは、魔法族との大戦で活躍した兵たちを表彰するため首都に来てほしい、というものだった。しかし、すべての兵が首都に行っては、攻撃を受けたときに戦う人物がいなくなる。そのための保険としてシャインとソラ、その他の数名の兵はこの街に残されたのである。
「しっかし、あいつらがいって丸一日たつけどだーれも襲ってこないじゃん!」
「もー!あきらめなって!いい加減!」
シャインはまるで子供をなだめる母親のようである。
なにもすることがないので二人がぼーっとしていると
リンが来た。
「あれ?珍しいですね。レイナさんはいないのですか?」
リンはキョロキョロと辺りを見渡してレイナを探す仕草をする。
「ん?あー!あいつも一応、無線の対応してっから首都に呼ばれたみたい~ずるくね!?」
頬を膨らませてソラは言う。
「そーだったんですね!」
リンはそう言うとソラとシャインの横に座り、二人と同じくぼーっとする。
静かな時間が流れ出す。いつもは考えられないような静けさに三人は体を預ける。こんな平和な時間はいつもならあり得なかった。そんなときソラがぼそりと呟いた。
「ねぇ、………なんかうるさくない?」
そんなソラの問いにシャインとリンは体を起こして答える。
「ん?そうかな?」
「私はなにも聞こえません………けど?…」
ソラはすくっと立ち上がり体を街の入り口の方へ向ける。
「いや…やっぱり、人の声がする、たくさん…」
ソラはそう言うとベクトルを起動させ、街の入り口の方向へと飛んでいく。リンとシャインは顔を見合わせ
なにがなんだかといった様子である。そのまま二、三分の間、待っているとソラが目の前に着地した。
「シャインさん…大変です」
そういったのはソラではなかった。ソラは腰をゆっくり屈めると背中から血まみれの男をおろした。
「なっ!いったいどうしたんだ!」
「俺が行ったときにはすでにこんな体だった…俺とシャインに話があるらしい」
そういって男に目を向けた。
「そんなことよりまず手当てだ!出血がひどい!はやくしないと………」
がっとシャインは会話の途中で腕を捕まれる。
「話を………話を聞いてください…」
シャインは鬼気迫る顔の男に驚く。
「しかし…」
といいかけて口をつむぐ。あまりにもその男の腕を掴む力が強かったからだ。シャインはしゃがみ男を見る。
「わかった、話をしてくれ。」
男は、ごくりと喉を鳴らすと話始めた。
「自分達は一日前に首都につきました。しかし迎えてくれる人はだれもおらず自分は違和感を感じました。
友人たちにその違和感を伝えましたが相手にされませんでした。そして首都の族長がいる建物まで行きました。その建物に入ると近衛兵たちがいました。武装解除の名目でベクトルは没収すると言われました。しかし、自分さ先程の違和感を拭いきれずベクトルを渡すふりをして装着したままでいました。のか通過儀礼が行われた後、自分達は族長の元へと案内すると言われ
地下の部屋まで案内されました。そして、その部屋に入ると何人もの兵が私たちを待ち伏せしていました。
そこからは自分達はなにもできませんでした。なにが起きているのか理解できずみんな次々となぜか捕らわれていきました。そして、自分の番になろうとしたとき自分はベクトルを起動させ、そこからなんとか逃げ出しました。自分もなにが起こっているのかわからなかったため確認しようと思い、首都に隠れていました。時間がたち夕方ごろでしょうか、人々が騒いでいました。聞き耳を立て、話の内容を聞きました。それは………」
男は自分を落ち着かせるかのように、ふーっと深呼吸をして言った。
「三日後の午後十二時、魔法族の大軍を街に引き入れた疑いにより兵たちを処刑すると………」
それを聞いた三人は愕然とした。
「なっ………!そんなバカなことが…第一、シャイン!
処分を行うにはお前の許諾が必要なはずだろ!そんなのいつだしたっ!!!!」
「それだ…それなんだ、いったい…」
シャインは現在の時間を巻き戻すように脳内で高速再生させてゆく。
「いつだ?いつだ?いつだ?いつだ?いつだ?………」
シャインは巻き戻す過去の映像の中に引っ掛かる点を見つけ、鮮明に映像を再生させる。
「み、みつけた…」
ソラはそれを聞いて怒鳴る。
「いつだ!」
「あのときだ…お前用の第三世代ベクトル。それの使用許可を出した。きっとその時のサインを悪用されたんだっ!くそっ!」
「とりあえずヴェルディを救護室へ!!!!!」
ソラはリンの方を向き言った。
「ソラさん…私の名前を…」
ヴェルディと呼ばれた男の声が震える。
「はぁ?知ってるに決まってんだろ!!いいから早く手当てを!」
「っつ………っ!」
ヴェルディはボロボロと涙を流す。それをみてソラはすこし微笑む。そしてリンにはやく連れていってと催促する。こくんとリンはうなずくと男の肩をもち、連れていく。十分な距離になったのを確認してソラは言う。
「シャイン、これで族長とジョーカーが繋がっているのが確信できるな。」
「あぁ、きっとジョーカーが族長にこうするように願ったんだろうね」
「あと、三日か…間に合いそうか?」
「わからない…ベクトルを使えば首都に約3時間ほどでつくし、一応、処刑場に監視はたくさんいると思うけどそれもなんとかなりそう、でも、問題はそのあとなんだ」
シャインは顎に手をあて、厳しい顔をする。
「助け出した後、俺たちは攻めてくる魔法族、追ってくる科学族の二つを相手にしなければならない。復讐の相手が族長と知ってから一応計画は進めていた。しかし、こんなはやく事態が起こるとは思わなかった。計画を前倒しする必要がある。しかし、それは…計画の成功率の低下を招いてしまう…くそっ!どうすればっ!」
ソラはこんなに切羽詰まったシャインを見るのは二度目だった。あの、空白の一年間の時以来だった。
「まぁ、落ち着いてシャイン。重要なのはどっち?攻めてくる魔法族と追ってくる科学族。」
ソラは質問した。
「どちらかと言えば科学族の方だ。」
「だよね?魔法族とは元々戦争してるし、わざわざ新しい敵を作るのが一番めんどくさいよね。」
ソラはそこで提案する。
「なら、科学族のみんなを味方につけちゃえばいいんだよ。」
シャインは目を細める。
「でも、どうやって?」
ソラは首を横にふるふると降り、にやっと笑う。
「しーらないっ!それはシャインの仕事!」
はぁーっとため息をつくとシャインもにやりと笑う。
「じゃあ、まずは首都に行くことが先決だな。ここにいる残りの兵をすべて集めて首都に行こう」
「おうっ!っと言いたいところだけど街に住んでる非戦闘員はどうするの?」
シャインはベクトルを起動させながら問いに答える。
「ん?あぁ、大丈夫!それは計画の第一段階に含まれてて、すでに完了ずみ!」
ソラは首をひねり、両手を上げる
「よくわからんが、わかったよ!」
それを聞いてシャインは組んでいた腕を解き、言った。
「さぁ、国取り開始だ!」
本編とは全く関係ないですが
アニメってすげぇ
そして、コミケいきてぇ




