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無題
小学生3年生の夏。僕ら約束をしていた。
”いつもの秘密基地で待ち合わせ。”
その日は、夜のプールに行こうと夜、親の目を盗んで秘密基地に行った。
つくと、町の街灯が僕らの秘密基地を照らしてくれた。あの頃の僕にはわからなかったが、今思うとあのきれいすぎる光は僕に行くなと言っていたのだろうか?
僕は待った。
一時間。
二時間。
三時間。
気が付くと、深夜1時。
僕は、その時友達を憎んでしまった。
その時頭の中で廻ったのは、あいつにされていやなこと。
寝ているときに、僕の服に虫を入れたこと。
学校で好きな子の名前をばらされたこと。
僕とゲームをしているときにコントローラーを抜かれたこと。
たかだか、数時間。
僕は、許せなかった。
もし、あの時憎んでいなかったら?
もし、許せていたのなら?
僕は学校で、友達が死んだのを聞かされた。
あいつは、心の中にどうしようもない、傷と空白を開けて、死んだ。
あいつに文句も言えない。
もうあいつには明日がないんだ。
そう思ったら、無性にじぶんが憎くなった。