第99話 呪術師
今日は討伐が休み。
そうそう、西府は法案を取り下げた。
やっぱりな金目当てか。
香川さんの紹介で呪術師に会いに行く。
「紹介された戸塚といいます」
「拙者、名無野・権兵衛佐衛門と申します。よしなに」
「ええとキャラづくり?」
「まあぶっちゃけるとそうですね」
「呪術について聞きたい」
「あれは思っているほど便利じゃないのですよ」
「というと?」
「デバフの一種だと思って頂けると。ただ呪術師の魔力はほとんど使いません。依頼者の魔力で呪術が発動するのです。そうすると呪いを掛けたい人と、掛けられた人に繋がりができる。それで術を破られると跳ね返る」
「となると結界や反射魔法といったもので破られそうだな」
「ええ」
「何百人も同時に呪ったらどうなる?」
「跳ね返すのは容易ではないでしょうね」
「運を減らすなんて出来るか?」
「運命を捻じ曲げることは出来ませんが、人に嫌われたりして、上手くいかなくはできます」
「ありがとう、参考になったよ」
色々と考えがまとまった。
パラダイスサイバーが違法になったら被害者の会を作って元凶の尻手専務を呪うとするか。
掛けるなら、嫌われる呪いだ。
誰にも相手にされなくて、苦しむが良い。
「パラダイスサイバーの原理を深く考えていなかった」
「先輩、私が調べておきました」
「藤沢、ありがと」
「まず魔石に刺激を吸収させます。たぶん光や電気を使っていると思われます。それを繋がっている人が受け取る。逆流ですから、とうぜん思考としてです。脳内に別人の思考が入るわけですね。夢とかを移植されているとイメージされるといいかと。それが快楽の夢ですね。それで本人でない思考が脳に入ると、イレギュラーなニューロン回路が頭に出来ます。これが幻覚の素となるわけです」
「今は繋ぐときに思考の逆流は禁止しているけど、過去の製品は禁止してない。なんらかの方法で俺にブーストが掛けられれば、全国の魔石とのネットワークを把握して、パラダイスサイバーの使用者のネットワークを潰せるのに」
「先輩、それは危険だと思います」
魔力はモンスターから引っ張ってこれる。
問題は規模を大きくすることだ。
バフを掛けまくるか。
ああ、バフは1種類しか掛からないんだったな。
上溝さんのスキル付与がバフの1種だった。
待てよ、呪術は複数いけるみたいなことを言ってたよな。
でもデバフだ。
何を減らしたらいいのか。
スキルの力が伝わる減衰を減らせば良い。
力の抵抗に対して減衰なんてできるのか。
「心配するな。実験するにしても小規模からだ」
名無野さんに連絡を取った。
実験に付き合ってくれるらしい。
「では行きますよ【カース】」
「先輩の周りのスキル抵抗を呪う」
「【ネットワークライイング】。おお、効果範囲が少し広がった。成功だが、大規模にやるには人数が要るな」
「呪術でスキルの効果範囲を広げるのは初めてです。スキル抵抗を呪えるんですね。どういう仕組みですかね」
名無野さんが尋ねてきた。
仕事柄、興味があるのだろう。
「推測だが、スキルを使うと魔力がスキルによって変化する。で色々な現象を起こす訳だが。それは色が付いた魔力みたいなもので、魔力は何かに疎外されて進まないのかなと。その何かを呪いによって排除した」
「その何かってなんですかね」
「魔力ではないな。魔力ならダンジョンの中は魔力が濃いので効果範囲が狭まるはずだ。魔力は素粒子だと思っているから阻害する何かも素粒子だろう」
「だとすると大規模にこの呪いを掛けるとみんな効果範囲が広がりますね」
「いいや、波長とか細かい何かがあって俺のスキルしか関係ないかも知れない」
実験したところ俺への呪いは、俺のスキルしか影響がなかった。
この素粒子は思考の影響を受けるのだな。
魔力と対になっているのかも知れない。
香川さん辺りが知ったら喜びそうだ。
拝島さんに教えてやろう。
そうすれば拝島さんが香川さんへのポイントが稼げる。
そういえばダンジョンから漏れ出した魔力は減衰して消えるのだったな。
このアンチマナとも言うべき素粒子は魔力を消すのだな。
そして、魔力同様に思考の影響も受ける。
消去魔法系統はアンチマナを操っているのだろう。
対消滅みたいだな。
なんとなくそう思った。
スキルとか魔法とかが不思議なのは今に始まった事ではない。
思考に反応するって何だよと思わないでもない。
考えたら負けなのだろうか。
こういうことを解き明かすのは香川さんの仕事だ。
――――――――――――――――――――――――
俺の収支メモ
支出 収入 収支
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
繰り越し 49,168万円
上級ポーション1個 302万円
彫像10体 10万円
弾丸製造 500万円
カモシカの足 300万円
猫の爪 300万円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 0円 50,580万円 50,580万円
パーティ収支メモ
支出 収入 収支
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
繰り越し 46,529万円
魔力買い 117万円
カモシカの足 300万円
猫の爪 300万円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 719万円 46,529万円 45,810万円
ファンド収支メモ
俺の出資1250口 125億円
客の出資4871口 487億1千万円
支出 収入 収支
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
繰り越し 134,108万円
カイザーウルフ60体 4,500万円
ドッペルオーク12体 600万円
シャーマンオーク12体 720万円
エンペラータランチュラ12体 1,056万円
メイズスパイダー12体 1,020万円
エレファントスレイヤー12体 1,440万円
オーガ96体 5,280万円
弾丸製造 500万円
酒 12万円
転移輸送 815万円
最下級ポーション 548万円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
計 0円 150,599万円 150,599万円
遺産(不動産) 0円
ダンジョン -48億円
出資金 125億円
2階層の空き部屋から、毎日2つ宝物が出るようになった。
パーティの装備が充実したら売りにだそう。
夢は広がる。
俺達の装備は。
俺 追憶のペンダント 不眠の冑 剛力の籠手 モノクル 身代わり人形
藤沢 巧みの手 俊足のブーツ 力の腕輪
上溝 巧みの手 俊足のブーツ
番田 不動の盾 猫の爪
拝島 祈りの像
御嶽 幻影のネックレス 耐衝の胸当て カモシカの足
キープ 亜空間収納 千里眼の目隠し 身隠しのマント 変装の仮面 スキル鑑定の杖
カモシカの足は、滑らないし、機動性がが上がるという優れもの。
御嶽青年に装備してもらった。
猫の爪は、手甲で魔力を注ぐと爪が出る。
番田さんが名前を気に入って装備することになった。




