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第112話 ドックタグ

 討伐は銀色の巨体が美しいメタルリザードだった。

 魔石弾が通用するかなと思ったら、要らぬ心配だった。

 貫通はしないがダメージにはなって、脳をぶち抜いた一撃が止めとなった。


 宝物は銀色の金属のインゴット。

 輝きをみた限り、銀ではないな。

 最近この輝きを見た記憶が。

 俺は着ていたシャツをみた。

 そうだこの輝きだ。

 ミスリルのインゴットか。

 なにか装備を作ってもらうのが良いだろうが。

 肉弾戦はお呼びじゃない。

 防具の類は勿体ないな。

 かと言って弾丸みたいな消耗品にするのも違う。


「うーん、何を作ろう」

「先輩、ここはいっそのこと、パーティメンバー全員が付けられるアクセサリーにしませんか」

「アクセサリーなら、別に使いたくなったら鋳つぶして再利用できるな」


「チャラチャラした奴は好みじゃない」


 番田(ばんだ)さんがそう言った。


「ドッグタグとかどうですかね」


 拝島(はいじま)さんがそう意見を出した。

 ドッグタグは良いかもな。


「よし、ドッグタグにする」


 決まった所で、次の部屋に行こう。


 次の部屋はランドオクトパスだった。

 サクっと片付けた。

 いい宝物よ、出ろ。

 出たのは自転車のアームカバーみたいな道具。

 どうやら銃らしい。

 漫画でそんな奴があったな。

 あっちはビームみたいなのを出していたが。

 試してみたが、魔石弾より数段劣った。

 売ろう。


 ダンジョンを出て、冒険者協会に行く。

 武器工房を紹介してもらうためだ。

 紹介して貰った所で、ミスリルのドッグタグは簡単にできた。


「お前さんのところは確か魔石弾を作っているんじゃねぇか」

「ええ」

「知り合いから相談を受けててな。海のモンスターに沈められない。船を作りたいってな。ミスリルメッキすることも考えたが、ミスリルの量が足りない。そこで魔石コーティングよ。ひとつ頼まれちゃくれないか」

「明日で良ければ、やってみても構わないよ」

「おお頼むぞ。向こうには連絡しておく」


 ドッグタグには加入の順番でナンバリングして貰った。

 パーティメンバーではないが大船(おおぶね)さんに、ナンバー1のタグを持って行く。


「おう、少しは迷いが晴れたって顔だな」

「ええ、被害者を回って何というか、これから目を背けたらいけないんだなと思いました。気負う必要もないけど、常に忘れない」

「それだけ分かっていれば十分だ」


「パーティメンバー全員に配ってます。大船(おおぶね)さんは最初のパーティメンバーなので」


 そう言って俺はドッグタグを出した。


「ありがたくもらっておく。パーティメンバーはどんな事があっても見捨てるなよ」

「分かってますよ。もし遺体になってもその亡骸は必ず持ち帰ります」

「俺はよ。昔、パーティメンバーを見殺しにした事があってよ。状況は撤退するしかなかった。足を怪我したそいつは足手まといになるのが嫌で、這ってモンスターに特攻した」

「それは見殺しではないのでは」

「だが、這って移動できるなら、俺がしんがりで、そいつを逃がしても良かった。俺はブルっちまったんだな。今でもその時の夢を見るよ」

「俺は、パーティが苦境に陥ったら最初に死のうと思います。リーダーの役目として」

「お前は俺みたいにビビるなよ」

「はい」


 最近、ライフル銃と魔石弾で無双しているから、少し危機感が薄れていたように思う。

 気を引き締めないと。

 人は色々な物を背負って生きているんだな。


 俺もだいぶ背負うことになった。

 ダンジョン、ダンジョン事業、パラダイスサイバー、SLE、そして藤沢(ふじさわ)とパーティメンバー。

 色んな人に顔向けできないような人生は送りたくない。


 やれることはやる。

 電話が掛かってきた。


『先輩、OSの開発なんて無理ですよ。どこにもそんなお金はありません』


 辻堂(つじどう)からだった。


「何か考えるよ。とりあえず思考入力関連ソフトウェアで儲けろ」

『猫の気持ちが分かる商品は簡単にできました。同じ動物ですから、思念もそれほど変わりないようです。ただニュアンスを文章にするのが難しかっただけです』

「よくやったな」


『思考入力の生体認証も出来ました』

「政府に売り込みはきついか」

『ええ、扉のメーカーに提携の話を持ち掛けてます』

「そんな感じで、徐々に拡大していけば良い」

『はい』


 辻堂(つじどう)は頑張っている。

 俺も頑張らないと。

――――――――――――――――――――――――

俺の収支メモ

              支出       収入       収支

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

繰り越し               19,805万円

上級ポーション2個             608万円

彫像10体                  10万円

弾丸製造                  500万円

魔力買い         511万円

金貨23枚                 265万円

不壊の剣                1,578万円

光の杖                    10万円

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

計            511万円 22,775万円 22,264万円


パーティ収支メモ


              支出       収入       収支

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

繰り越し               46,607万円

メタルリザード                87万円

ランドオクトパス              115万円

オーガの含み針                15万円

弾丸60発          6万円

弾丸用魔石        150万円

付与魔法依頼        50万円

魔力買い         221万円

不眠の冑         300万円

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

計            727万円 46,824万円 46,097万円



ファンド収支メモ


俺の出資1250口       125億円

客の出資8243口       824億3千万円


              支出       収入        収支

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

繰り越し               190,541万円

カイザーウルフ60体           4,500万円

ドッペルオーク12体             600万円

シャーマンオーク12体            720万円

エンペラータランチュラ12体       1,056万円

メイズスパイダー12体          1,020万円

エレファントスレイヤー12体       1,440万円

オーガ96体               5,280万円

弾丸製造                   500万円

酒                       12万円

転移輸送                   815万円

最下級ポーション               528万円

くず鉄20トンほど              203万円

シャイニングストーン           1,013万円

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

計               0円 208,228万円 208,228万円


遺産(不動産)         0円

ダンジョン        -48億円

出資金          125億円


 2階層から出た不壊の剣は、硬いというだけの物。

 要らないので売ったが、高値が付いた。

 何でも新素材として同じ物が作れないか研究するのだそうだ。

 硬いだけの物も価値があるんだな。


 俺達の装備は。

俺 追憶のペンダント 不眠の冑 剛力の籠手 モノクル 身代わり人形 祈りの像 ミスリルのシャツ カモシカの足

藤沢(ふじさわ) 巧みの手 俊足のブーツ 力の腕輪 魅惑の香水 反射の胸当て

上溝(うえみぞ) 巧みの手 俊足のブーツ

番田(ばんだ) 不動の盾 猫の爪 堅固の胴鎧

拝島(はいじま) 祈りの像 足捌きの脛あて 鷹目の冑

御嶽(みたけ) 幻影のネックレス 耐衝の胸当て カモシカの足 不眠の冑


キープ 亜空間収納 千里眼の目隠し 身隠しのマント 変装の仮面 スキル鑑定の杖

    反射の盾×2 衝撃の盾 浮遊の靴 収納の壺 蛸の手 眠りのオルゴール

    金剛糸×2 オリハルコンの縫い針 熊の爪


 ドッグタグの加工代は俺のポケットマネーから出した。

 人が入れ替わるかも知れないから、余ったミスリルは売らないで保管しておく。

 ドッグタグを着けるとなんだか兵士になった気分だ。

 強くなったわけじゃないが、戦う男になった気がする。


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