プロローグ
我が家で起こる日常にとんでもない出来事を足した
コメディです。
「ねえ、母ちゃん!たまにペットショップ見たいよぉ〜」
僕は、高柳健司。この頃はまだ、吉田健司
僕の日常が変わった理由
それは運命の黒猫との出会いだった。
この日はとても暇だった。だから家族でショッピングモールに来ていた。このショッピングモールはたくさんの店で構成されている。
例えば服屋、おもちゃ屋、家具屋、ゲームセンター、それにペットショップ。
たまたまペットショップの前を通りかかって、まだ好奇心旺盛だった僕は母にそう言った。
買い物が終わり、あとは帰るだけだったので、母はすぐに「いいよ」と言ってくれた。そうして、僕たちはペットショップに入った。
僕も母も猫派だったので、まっすぐキャットコーナーに向かって子猫を一匹ずつ見てみた。
すると、小さい体でぴょんぴょんと跳ね、ケージの中で暴れ回る元気な黒い子猫が目に止まった。
僕はしばらくその姿を見つめ、癒されていた時、店員さんが「抱っこしてみます?」と、聞いてきた。
僕は母に「いいよね?」と確認した。
店員さんはケージの鍵を開け、この黒猫を「優しくね」そう言って僕の腕に黒猫を乗せた。
さらに、母は何か言いたそうだったが、その瞬間に店員さんが「どうかされましたか?」
母は気になっていたことを話し出した。
「売れ残った動物ってどうなるんですか?」
店員さんは言いづらそうに、「殺処分です。」確かにそう言った。
その時、僕が生まれる前からずっと飼っていた猫が少し前に他界してしまったことを思い出した。
実際この黒猫も売れる目処がついておらず、殺処分になる可能性が高い。
「かわいそう。」
とっさに僕の口からこの言葉が出た。
そして、「母ちゃん、この猫買ってくれない?」冷静になって母に聞いた。
母は、「また来ようか。」
1週間後のことだった。僕はあの黒猫のことが忘れられず、父に相談した。
「売れ残りで、かわいそうな子猫が売ってたんだけど、買ってくれない?」この頃はまだ、僕の父は家族だった。
父はまず、値段を聞いた。
僕は伝えた。「30万円くらいだったよ。」
「ほんとに欲しいのか?お前がきちんと世話するならいいけど、どうせしないだろ。」
僕は、父に本当のことを指摘されて、何も言えなかった。
でも、僕は諦めず、「ちゃんとやるもん!」こんな僕でも父は信じてくれた。あとで考えたら、「親だから」そんな答えが導き出された。
「わかった。今から店行くぞ!準備しろ!」
今度は父とペットショップに来た。
「で、どの猫だ?」僕は探した。ぱっと見見つからない。まさか売れたのか、はたまた殺処分されたのか。
そんなことを考えていると、父が突然、上の方のケージの猫を指を差して言った。
「この黒猫かわいいな。」よく見ると、あの時の黒猫だった。
「父ちゃん!その猫だよ。」
こうして、この黒猫は僕の家にやってきて、母によって、「ジジ」と名づけられた。
これが僕の運命的な出会い の、はずだった。
かわいかったジジの子猫時代も卒業し、すっかり大きくなり、太って「デブネコ」へと、変貌してしまった。
大量のカリカリを一瞬にして食べ、食べ終わるとすぐに寝る。そんな生活をしていたら、まあそうなる。
「ピーンポーン(インターフォンの音)」
ある日、何か荷物が届いた。開けてみると、猫用のエサ、通称カリカリが入っていた。
「こんなの買ったっけ?」母はこう言う。
僕が他に何か入っていないか確認すると、一枚の紙が出てきた。読むと、
「おめでとうございます!あなたはキャットフードが当たりました。ご応募ありがとうございます。」そう書かれていたので、「きっと僕の応募した懸賞が当たったんだよ」母はすぐに納得した。
その日の晩、僕はごはんとして、ジジにそのエサを食べさせ、風呂入って寝た。
次の朝、起きてきたらとんでもないことが起きていた。
ジジが「おはよう!」と、おっさんのような太い声で僕にあいさつしてきたのだ!
僕は、「えええええぇーーー」
「これは夢だ、これは夢だぁー」
すかさず、ほっぺをちねるが確かに痛い。
「現実⁉︎」
「母ちゃ〜ん!ジジがぁ〜〜」
すると、ジジがまた、「うるさいぞ!」日本語を話してる。
母ちゃんは何も驚かない。事情を話しても、「ジジはいつも通り、ニャーニャー鳴いてんじゃん!」
まさか、僕だけにしか聞こえないのか?
ある日起きたらジジが日本語、おっさん語を話している件。