屋上
なろうにログインした時に見た「うわさ」の文字を見た時に書いてみたい。という欲望が生まれて書いてみました。
ホラーどころか小説と言うものすら初心者な自分のできる限りを表現したつもりです。
自分なりのホラーを書きました。
どうかよろしくお願いします。
学校の屋上でタバコを吸う不良少年が5人いる。
その中の1人、高校生3年生の横川歴都[ヨコカワ レキト]は人生の岐路に立っていた。
彼が幼い頃に父親が出ていき、残された母もその数年後、新しい男と家を出て行った。
その後引き取ってくれた祖父も先月亡くなり天涯孤独のまま高校最後の夏を迎えるからだ。
仲が良かったとは言えないが幾らかの遺産を残してくれた祖父には感謝している。
が、目の前にある路は就職一本道だ。
つまりこの岐路は就職か、進学かではなくどんなところに就職するかだ。
「就職、どうすっかなー。」
「働きてーなら俺の地元のツレんとこ紹介できるよ。」
と夏前なのに黒光りした肌とジェルでテカテカの髪が眩しく光る男がサングラスをズラしながら言う。
その男の名前は古谷といいレキトとは高一からの付き合いだ。
その場には他にユキノリ、モリくん、オーカワ、と呼ばれてる不良仲間達がいた。
「それ!この前、駅前で声かけてきたヤベーやつでしょ。絶対合法じゃねーべ。」
「今更合法も非合法ねーだろ。それにユキノリ、お前レキトの置かれた状況わかってんのか。俺らとはちげーんだよ。」
ユキノリの軽いノリに古谷がイラついた様に吐き捨てる。
わりっ。と呟き謝るジェスチャーをするユキノリにレキトは、気にすんなと返す。
「だりっ、帰るわ。」
と古谷が言い放ちカバンを手に取り立ち上がるとタバコを咥えたまま筋トレをしていたオーカワもついて行った。
残された3人で話を続ける。
「それでお前の心は決まってるのか。」
老け顔の男が口を開く。
「心って‥モリくん大げさ過ぎるよ。」
「でもそれが大事だろ。非合法な稼ぎに手を出すなら、しっかり覚悟しろよ。」
中学時代に捕まって留年しただけあってモリくんの言葉には重みがある。
「まぁ今すぐどーこーってもんでもないっしょ。」
レキトはそう言ってはぐらかす。
「レキトはさぁ顔もいいし歌も上手いんだから歌手とかゲーノー人とかなっちゃえよー。そんで俺におっぱいカイデーの可愛い子を紹介して下さい!!」
「お前それが目当てだろ。もういいよ、とりあえず今日は帰るわ。」
最悪ちょいブスまでならイケるよ!と叫ぶユキノリを無視してレキトは屋上を出ると階下でギターケースを背負った男子生徒たちを見かける。
恐らく軽音部の部員である生徒達は自転車組と電車組に別れたようだ。
先程、ユキノリに言われた言葉が頭の中で駆け巡る。
(歌手は難しいかもしれないけど、バンドとかならもしかしたらワンチャンあるかもしれない。いやないな、楽器とか今まで触ったことないし。)
実はレキトは父親が出て行く前、6歳の誕生日までは父親からの指導でギターをやっていたのだが離婚のショックや、その後母親が代わるがわる男を家に連れ込んでいた事からその記憶が思い出せなくなっている。
駅につきホームで電車を待っていると目の前にいるのがさっきの軽音部員達だったことに気づく。
話が聞こえてくる。
「それマジで言ってんの?」
「マジだって!絶対あれホンモノだから」
「いや言うて俺めっちゃギター詳しいからわかるけどもしホンモノならクッソ高価だよ!」
「だからやべーって話じゃん。」
「じゃあなんでそんなレアなギターが普通の時計屋にあんだよ。」
「そんなん知らねーよ!でもこれマジだから!あれ多分マジホンモノ!」
(なんの話してんだ)
レキトの性格上いつもなら気にならないが、内容が内容だけに今回は耳を傾ける。
この時のレキトはまだこの話を聞いても
(高いギターか売ったらいくらくらいすんだろ。)
くらいにしか思っていなかった