9.準備
模擬戦まで後6日
あの後、お母さんとの会話が終わったあと、すぐに寝てしまった。まぁ、色々あって疲れてたからね。
スウスウ寝ていると、何時も通りの時間にお母さんが起こしに来た。
今日もレイ先生の授業だと思っていたのだけれど、朝いつも通り一緒に食事をしている時、お母さんが「今日から6日間、私もレイと一緒に貴方の教師になって特訓するからよろしくね〜」と言われた…せめて授業って言ってよ。
恐らく、模擬戦までに必要な能力を教えてくれるのだと思う。確かに対人戦はやったことが無いのでお母さんもレイ先生と一緒に教えてくれるのはありがたいことなのかな?何時も怒られてばかりだから本能がお母さんを怯えている。
ご飯を食べ終わり、早速特訓開始!
今日は結界魔法の習得&活用方法!
お母さんにステータスを鑑定され、私は防御面が弱いことがバレた。そこを結界魔法で補うためとのこと、早速お母さんが目の前でやって見せてくれた。
外から見た感じ、半透明の球体に体が覆われているように見えた。まるでハムスターボールw 一人吹き出していると、お母さんに打たれた…話は聞いているよ〜
実際、INTが高ければ結界の形を変えたり、強度を変えたり、視認性を変えたりと様々な応用を効かせることが出来るらしい。
鑑定と同じように、実際結界に触れ魔力の流れを感じることがスキル習得の鍵になるとのこと…そうお母さんが言っていたので、数分お母さんが出していた結界を触って、私の魔力を流してみたり、壊そうとしてみたりと、結界で遊んでいるといつの間にか私も結界魔法を習得することが出来た。
すんなりと、結界魔法を習得してしまった私に、お母さんや、レイ先生が驚いているみたいだった。
「え?基礎魔法じゃないの?」
無意識に口から漏れた言葉に二人は呆れていた。
どうやら、6日間かけて、最後には結界魔法を習得できて入れは良いなと言う、予定だったらしい。その予定がだいぶ変わり、今日の授業は約20分で終わった。お母さんとレイ先生が2人で明日の特訓内容について話し合っていた。
ん?その間何をやっていたかったって?
さっき手に入れた結界魔法の実験だよ! 実際、模擬戦で上手に活用できるレベルにするにはまず、どこまで耐久力を上げられるのか、どこまで大きくできるのか、私からどれだけ離れた場所に作り出せるのかと、知っておかないと足下を救われかねないからね。
一人で遊んでいると、結界を自身の足下に出して足場にするように活用すれば、よく漫画とかで見る空を飛んでいる現象の真似事ができた。楽しくなり空中歩行で遊んでいると、「天駆」と「身軽」、スキルを手に入れた。
スキル:天駆
スキル使用時、風の抵抗を限りなく減らすスキル。
AGI+10
スキル:身軽
スキル使用時、自身にかかる重力を半分にする(受けた重力系スキルにも有効)。
AGI+10
手に入ったスキルを使うと、空中で自由に飛び回れるほど、ぎこちなさがなくなった。
結界を手に入れたことで、美味しい副産物を手に入れることができた。
手に入れたスキルで遊んでいるとお昼になっていたのでご飯を食べてお昼寝!夜は日課となっているクマさん狩り、基本的に出会えないけれど、定期的に狩って行きたい、そうすればレベルも上がり、ステータスも伸びていいことづくしだからね!
模擬戦まで後5日
今日も昨日と同じように、お母さんとレイ先生による特訓が朝から始まった。しかし、私は夜にクマさん狩りに出かけたけれど結局出会えず、スキルをフル活用していたため、まだその疲労は取れていない状態で特訓が始まっている。
今日は結界魔法の応用と、短剣スキルの入手!
結界魔法は出すときに性質を変えることができ、その都度物理結界や、魔法結界、吸血鬼は日光の効果を軽減させるため特化された結界を常に展開してることが一般的とお母さんは言っていた。逆にこの結界を使えないと大人になってもまともに太陽の下外を出歩くことが出来ないらしい。また、INTの数値により耐性が変わるため低いものは結界を張っていても本来のステータスの半分ということもあるらしい。私の場合はINのステータスがそこそこあるので余り気にしなくても良さそうだね。
と言うことで、お母さんが創り出す物理結界、魔法結界、吸血鬼の弱点である光魔法や、日光の特化型結界を見せてもらい、数時間かけ一応結界を展開することは出来たが長時間の展開はまだ練度が低いためか維持出来なかった…ボチボチ練習していきますかね。
短剣スキルに関しても、お母さんのスキルを見て取るものだと思っていたのだけれど、生憎お母さんもレイ先生も短剣スキルを持っていないらしい。持っていないときのスキル入手方法はどうすれば良いのかって?
私もわからずお母さんに聞いたら、「実践しかない!」と返って来た…
長剣スキル持ちのお母さんの長剣と、スキルなしの私の短剣…取り敢えず私も頑張りはしたんだよ…?
でも、お母さんに短剣が全く当たる気がしなかった。時々思うけどお母さんのスペック高すぎじゃない?私もむきになって途中ステータスが上がるスキルを使用しながらやっていたのに何もできず遊ばれ、何回も地面を転がったか! 私まだ3歳だよ! 英才教育過ぎるよ〜!
授業が終わる頃にようやくスキルを入手することが出来た。お母さんとレイ先生がご飯の準備をやりに行ったので一人でシャワーでも浴びてこようかな。
今日の特訓は結構大変だった。体調が少し優れなかったとはいえ、このままお母さんに何もできないままでは終われない。今夜のクマさん狩りは、入手したばかりの天駆や、身軽を使ってさらに広範囲に探索範囲を広げ今よりレベルを上げよう。特訓が終わる頃にはお母さんから一本取れる位には強くなりたいな。いや…なる!
ということでご飯を食べぐっすり寝て現在21:00。
最近は外に出る時は玄関から出るのではなく自分の部屋の窓から外に出て狩りに行くのでレイ先生やお母さんについて来られることは無くなった。1人ということで少しぐらいは無茶が出来る、ステータスアップのスキルを全て発動して森を駆け回っていると、見たこと無い大きな洞窟を発見!
入口から私の住んでいる屋敷が入る大きさの洞窟ということもあり、興奮のあまり何も考えず目の前にある洞窟に入ってしまった。好奇心は抑えられないよね!
入口から洞窟の大きさが変わらず、常に大きな空間の一本道…私の直感が言っている、この先にこの洞窟に出入りしている屋敷ほどの大きさの「何か」がいる。
何がいても全力で答えるだけだ!
興味90%不安10%でノリノリで洞窟の中を進んで行くのであった。