15.2人のお姉ちゃん
ううぅん〜あ! 寝ちゃってた…
見知らぬ天井、見知らぬベッド、いつ見ても綺麗なお母さんの寝顔…お母さんいつ寝ているか分からないから、私にとってお母さんの寝顔は貴重だ。スマホがあれば写真として残しておけるのに…残念。
もう空を飛んでいないと言うことは、目的地のお屋敷かな? お母さんが寝ているから確認するすべがない…
寝ているお母さんを起こして聞く程重要な事でもないでしょ。
ちょっとぐらい部屋から出て探索してても大丈夫かな?大丈夫でしょ。なんと言っても私はお呼ばれした側だからね!
探索して見て分かったことがある、どうやらここは目的地で間違いないと思われる。 なぜって? 部屋から出て広がっているのは、私の住んでいる屋敷の数倍は広く長い廊下があり、窓から外に出て外装を見てみると、そこにはあの、シンデ◯ラ城もびっくりするようなお城が建っていた…お母さん…これをお屋敷とは言わないと思うな。 周りを飛んでいると、大きな書斎があり、好奇心に負け早速入って見ることに、そこには思わず「凄い」と声が漏れてしまうくらい、大量の本とそれを収める私の背丈を大きく上回る本棚が置いてあった。
「凄い…」つい漏れてしまった。
私は、家の書斎にある本はだいたい読み尽くしている。一度読むだけで内容をすぐに記憶できてしまうのだ。
これだけの本が置いてあると言うことは…魔導書も、置いてあるはず!あ、魔導書というのは、その魔法がどの様な効果を及ぼすのか、どの様にするとスキルとして取りやすいかなど、1つ1つの魔法について詳しく書かれている本のことで、多数の魔法が乗っている魔導書や、1つだけの魔法に対して一冊丸々使っているものもあった。言わば、魔法の知識の載っている本のことを「魔導書」って呼んでるだけなんだよね。
ん…?読んだだけでそのスキルが手に入るんじゃって? そんなに甘い世界では無いんだよ。そんな非現実的なことを起こり得るはずないだろ〜全く〜…あ!そういえばここもゲームの世界でした。
話を戻し、そんな魔導書を探し、見つけては懐に抱え込んでいた。周りから見たその姿は不審な姿に映っていたらしい。
私が魔導書10冊くらいを抱え、書斎を出ようとした時、2人の少女に止められた。2人の少女の顔はかなり似ていてすぐに双子だろうなと、推測ができた。そんな2人に少し見とれていると、詰め寄られてしまった。どうしたものか…
????「貴方迷子?大丈夫?」
????「迷子…は寂しい…と…思う…」
????「そうよね~ でも、私たち今から夜の為の調整する予定だったんだけど…1人ここに残していくのは…ちょっと良くないよね〜 良かったら、私達の練習観ていく?終わったら客室まで送り届けることもできるからね! え…ちょっと待って我ながら完璧な案じゃない! 貴方もそれで良いよね! ほら行こ!」
????「いいと…思う!」
ええ…?あ、ああ〜 本抱えた私ごと持ち上げ連れて行かれてしまった。
私、ステータスが高くても身長体重は小さく軽いから軽く持ち上げられちゃうんだよね。本気で振り払おうとすればできると思うけど…その場合は相手を怪我させかねないから今はやめておこう。
それより…「夜の為の調整」「練習」ってもしかして、あの娘達、私の親戚…?
え〜と…少し整理すると、第1王妃の息子は2人で、それぞれ12歳と11歳…息子なのであの娘達ではないでしょ。 第2王妃も息子で9歳と…うん違うね。 第3王妃はお母さんだから私で…あ!第4王妃は双子の姉妹!え…この娘達9歳…可愛らしさは勿論あるけど、どちらかと言うと綺麗さが容姿から出てるよね?けど、話し方はまだ幼さがあって可愛いのはやっぱり良いよね。1人は元気!もう1人は内気そうな感じ!守ってあげたくなるよね!
残るは、第5王妃の息子2人、8歳と6歳。8歳の子はともかく、6歳は歳は他の親戚達と歳離れすぎだよ! …私3歳でした。この娘達には悪いけど、ちょっと練習風景観せてもらって対策考えますか…。
それと、親戚の中ではこの娘達しか女の子はいないから、少し仲良くなっておきたいよね!私もっと知り合い増やした~い。…そんなこと言ってまだ話せていないんですけど… 私頑張れ!
????「よお~し!着いたよ。ここの練習場は他と比べてかなり広い場所で、少し離れの練習場だから私達ここに来た時良く使ってるの!今度から貴方も使って良いわよ!」
????「アリア…が許可するもの…じゃないと…思うけど…」
「アリア…?ってお姉ちゃんの名前?」
アリア「そういえば自己紹介まだだったわね。
こほん! 私の名前は『アリア・ヘルエスタ』前王の血を引く1人よ!」
シンフォニー「私は『シンフォニ・ヘルエスタ』アリアの…双子の妹…短くフォニと呼んでくれたら…嬉しいな。よろしく…ね」
「わ…私の名前は『イブ』です。ア、アリアお姉ちゃんにフォニお姉ちゃんよろしくお願いします。」
か〜「アリアお姉ちゃん」だって恥ずかしい〜!リアルでは社会人ですよ、私…でもなぜか口が勝手に放ってしまった。2人がヒソヒソと話してるよ〜あ〜恥ずかしい。
アリア「アリアお姉ちゃん〜いい響き!フォニ聞いた?アリアお姉ちゃんアリアお姉ちゃんアリアお姉ちゃ〜ん……………」
フォニ「フォニお姉ちゃん…ちょっと恥ずかしい…けど、嬉しい」
アリア「イブちゃんは家名無いの?今日の集まりは基本的に貴族しか来ないはずなんだけど…まだ家名とか分からないか! よし、イブちゃんは少し離れて見ててね。フォニ早速やるよ!」
フォニ「…ん」
〜1時間後〜
2人の練習を観て一言、言わせて貰いたい!
私はね…私はだよ。9歳と聞いていたからそこまで強く無いと思っていたんだよ。英才教育って奴なのかね。
アリアお姉ちゃんは剣を主体に牽制程度に威力が低い魔法を使った戦い方でフォニお姉ちゃんの間合いまで近づいて行こうとしていた。 一方、フォニお姉ちゃんは、完全に魔法主体とした戦い方で、大きな炎での高威力魔法や一度に5〜6発同時に撃てる小さな炎の連射魔法を使い、アリアお姉ちゃんから距離を取るように立ち回っていた。
実際私はアリアお姉ちゃんの剣や、フォニお姉ちゃんの魔法を受けたことが無いため、勝てると言い切ることはできないけれど…ここで戦い方を観れて少し速く対策を立てることができるのは嬉しい…嬉しいけれど、本音は2人と戦いたくない。折角知り合え、仲良くしてもらったのに…もし模擬戦の後から仲良くしてもらえないかもしれないと考えると…2人とは戦いたくないな〜。
フォニ「え! ア!アリア!何してるの!」
アリア「あ! あ〜!」
お母さんは他の親戚達は血の気が多いと言っていたけれど、2人を見ているとそんな気が感じられない。
他の親戚もアリアお姉ちゃんやフォニお姉ちゃんみたいに素は優しい人だったら良いな〜。
アリア、フォニ「イブちゃ~ん 避けて〜!」
ん?避けて?
色々考え事をしていると周りが見えなくなると言うのはこう言うことをさすのだと…深く痛感した。
2人に避けてと言われ、考え事を止め2人の方を向いた時には…フォニお姉ちゃんが放ったと思われる大きな炎が私の目の前まで迫っていた。 急なこともあり、私は常に結界魔法を展開していることを忘れ、目を瞑ってしまった。…怖かったんだもん!!
目を瞑り2、3秒たった後、魔法の衝撃は私を襲わなかった…『襲わなかった』恐る恐る目を開けると、これでもかと言わないばかりにまん丸に目を開いた2人が私を凝視していた。『凝視していた』私は目を瞑っていた為何が起こったのか分からなかったけれど2人のポツポツと零れてくる言葉で、少しは理解した。
どうやら大きな炎の魔法は私に届く前に霧散したらしい。2人は「き…消えた?」「何が起こったの」などポツポツ零していた。
ハッと我に返った2人は素早く私の下まで来て私の心配をしてくれた。本当に優しい2人だ!
2人に何が起こって私に魔法が飛んでくるという結果が起こったのか聞いてみると、アリアお姉ちゃんがもじもじしながら、最近できるようになった、魔法反射を実践練習で試した時、反射は出来たものの在らぬ方向に飛んでいき、その在らぬ方向の先にいたのが私だったと。
しかし…何故魔法は私に届かず消えたのだろう?
私が常に使っている結界魔法は頑丈さには自信があるけれど、魔法を消す効果は無いはず…現に魔法の練習でレイ先生の魔法は一回も消えたことが無いから…でも、どこかで見たことあるだよね〜 魔法を撃っても消されるか、威力が弱弱しくなる感じでしょ… ………
………。
う〜ん…お母さんは魔法を避けたり、剣で叩き落としたりだから違う…良く考えたら魔法って剣で叩き落とせるの…? あ!お母さんだからか! 今はお母さんのことは置いておいてと。
レイ先生は、基本結界を張って止めているから違うでしょ…
森でよく見かけるクマさんは…魔法への対策を持ってないから、違う。
あ! いるじゃん!最近まで引きこもりで、インチキな鱗を持つドラコンが!
フィアスとの戦闘でよく魔法消されてたわ。確かスキル「龍鱗」の効果だったはず…だからか!私も前に確認してたら新しい称号と龍鱗スキル持ってたんだよね! あれ?そうなるとレイ先生の魔法もかなりヤバイことになるよね…うん!流石私の先生!
おっと、また長い間考え事を…良くない良くない。お姉ちゃん達が「私がどうやって魔法を消したのか」の説明を待っている。私が龍鱗スキルを持っていると説明しようと思ったが…前にフィアスに龍鱗スキルについて聞いたとき、「ドラコンの固有スキルじゃ!イブにもあげたいが、あげたいが…固有スキルだからあげられないのじゃよ〜」と煽られたことを思い出し。吸血鬼が何故龍鱗スキルを持っているのかを聞かれ、質問攻めにあうのが目に見えた。 ここは濁して答えよう。
「結界魔法が上手く魔法にあった…のかな? 私も分かんない!」
よし!それらしい魔法をあげつつ、子供らしく可愛らしさを残し逃げられる完璧な回答!
しかし…お姉ちゃん達は逃してくれなかった。
助け船をただ待つように、キョロキョロしているとお母さんが練習場に入ってきた。
何処かで見ていたと言わんばかりのタイミングに驚きつつも、助かった。ここはお母さんに頼らせてもらおう!
「あ!お母さんだ。 お母さん〜」ギュッ!
お母さん「あら?イブちゃん ここにいたのね、そろそろいい時間よ。部屋に戻りましょう?」
「わたった! お姉ちゃん達バイバ~イ」
お母さん「イブちゃんの相手をしてくれてありがとうね 先に失礼するわ。」
フォニ「アリア…あの人って…」
アリア「あの英雄がイブのお、お母さん!」
2人のお姉ちゃんから逃げるように去ったイブには2人の言葉は届いていなかった。
次に出会う親戚も、アリアお姉ちゃんや、フォニお姉ちゃんの様な優しい人でありますようにと願いつつ、お母さんと一緒に客室へと戻るのだった。
次回はイブちゃんの戦闘がようやく見れるかも!!
『もしかしたら…次回位に一話などの前の話の内容を少し変えるかもしれません。 変更した時は、次話の前書きに書いて置きます。』
今回の投稿はそれなりにはわかったんじゃないか?褒めて褒めて〜




